全負荷型と特定負荷型の違いは、「停電したときに家のどこまで電気が届くか」の一点です。 全負荷型は分電盤ごと切り替えて家じゅうに給電し、特定負荷型はあらかじめ決めておいた回路にだけ給電します。停電していないふだんの暮らしでは両者に差はなく、電気代の下がり方も変わりません。
ネット上には「全負荷型は◯◯万円高い」「特定負荷型は200Vが使えない」といった説明が出回っていますが、メーカーの公式サイトや公的資料にあたると事情はもう少し細かいことがわかります。この記事では一次情報だけを根拠に、両タイプの違いと選び分けを整理します。
この記事でわかること
- 全負荷型と特定負荷型のメーカー公式の定義と、配線上の違い
- 主要メーカーの停電時の定格出力(kVA)と負荷タイプの選択可否
- 「特定負荷型は200Vが使えない」が機種次第である理由
- 全負荷にするための切替機器の希望小売価格と、全負荷用と特定負荷用の差額(いずれもメーカー公表値)
- 停電時に何時間もつのかのメーカー公式データと、補助金は負荷タイプで変わるのかという論点
【2026年8月19日時点】 国のDR補助金(令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業・上限60万円/申請)は2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため公募が終了しており、2026年8月時点で新規申請はできません。次回の公募は未公表です(出典: SII 公式)。本文中の価格はメーカーが公表している希望小売価格(定価)で、設置工事費は含みません。希望小売価格は実際の販売価格ではなく、実勢価格は見積もりでしか確定しません。
違いは「停電時に電気が届く範囲」だけ
まず、メーカー自身がどう定義しているかを確認します。オムロンはマルチ蓄電プラットフォームKPBP-Aシリーズの製品ページで、両タイプを次のように説明しています(出典: オムロン ソーシアルソリューションズ KPBP-Aシリーズ)。
- 特定負荷型「停電時の給電先を特定の家電に限定する特定負荷型。停電時に使う電気を限定することで電気の使い過ぎを防ぎ、細く長く電気を使うことができます。」
- 全負荷型「お家にある家電全てへ給電する全負荷型。停電時でもエアコンやIH調理器など200Vの家電を使うことができるから、普段通りの生活ができます。」
ニチコンもESS-U5シリーズのページで、全負荷対応を「家じゅうの部屋の電源をバックアップできる」構成、特定負荷対応を「蓄電池の電気を冷蔵庫やリビングの照明など、暮らしに欠かせない生活家電へ供給」する構成と説明しています(出典: ニチコン ESS-U5シリーズ)。
配線がどう変わるのか
両者の差は、分電盤まわりの配線設計に現れます。
- 全負荷型は、分電盤の手前に切替機器を入れます。呼び名はメーカーによって異なり、ニチコンは「自動切替分電盤」「自動切替開閉器」、パナソニックは「電力切替ユニット」と呼びます。ニチコンはESS-U4X1とESS-U4M1について、専用の自動切替分電盤により家全体をバックアップし「200VのエアコンやIH調理器も使うことが可能」としています(出典: ニチコン ESS-U4Xシリーズ)。パナソニックの創蓄連携システムS+も「電力切替ユニット(60A・100A)を接続することで、停電時でも家じゅうに電気を供給することが可能」と記載しています(出典: パナソニック 創蓄連携システムS+)。
- 特定負荷型は、バックアップしたい回路だけを「重要負荷(非常時兼用)分電盤」に移し、そこに蓄電池の出力をつなぎます。どの回路を選ぶかは契約時に決めます。
ふだんの暮らしでは差がない
見落とされがちですが、停電していないときは全負荷型でも特定負荷型でも家じゅうの家電が普通に使えます。太陽光の余剰電力を貯めて夜に使うといった日常の運用も同じで、電気代の削減額でどちらかを選ぶ理由はありません。判断材料は「停電時にどこまで欲しいか」と「その分の費用を出すか」の2つです。
メーカー公式で見る比較表
まず一般論の比較です。価格帯や出力のレンジは機種によるばらつきが大きいため、後述の機種別データで確認してください。
| 比較項目 | 全負荷型 | 特定負荷型 |
|---|---|---|
| 停電時に電気が届く範囲 | 家じゅう(分電盤ごと切替) | あらかじめ決めた回路のみ |
| 必要な追加機器 | 自動切替分電盤・自動切替開閉器・電力切替ユニットなど | 重要負荷(非常時兼用)分電盤 |
| 200V機器の停電時利用 | 対応機種ならメーカー公式が明記 | 機種と配線設計による |
| 停電時の電気の減り方 | 家全体に供給するため速くなりやすい | 回路を絞るため長く持たせやすい |
| ふだんの電気代への影響 | 差はない(停電時のみの違い) | |
負荷タイプを選べるメーカーと、停電時の定格出力
「全負荷型の蓄電池」「特定負荷型の蓄電池」という別々の商品があるわけではなく、同じ製品を全負荷対応でも特定負荷対応でも組めるメーカーが複数あります。公式サイトで確認できた範囲は次のとおりです。
| メーカー・型番 | 蓄電容量 | 停電時(自立運転)の定格出力 | 負荷タイプ |
|---|---|---|---|
| ニチコン ESS-U4M1 | 11.1kWh | 片相1.5kVA・合計3.0kVA(AC101V/AC202V 単相3線式) | 全負荷対応(「重要負荷(非常時兼用)分電盤」にも対応) |
| ニチコン ESS-U4X1 | 16.6kWh | 片相1.5kVA・合計3.0kVA(AC101V/AC202V 単相3線式) | 全負荷対応(「重要負荷(非常時兼用)分電盤」にも対応) |
| ニチコン ESS-U5M1 | 7.7kWh | 4.0kVA | 全負荷対応・特定負荷対応 |
| ニチコン ESS-U5L1 | 9.7kWh | 5.9kVA | 全負荷対応・特定負荷対応 |
| オムロン KPBP-Aシリーズ | 6.3〜16.4kWh | 4kVA(全負荷型。夜間や天候により太陽光の発電量が不足する場合は最大2.5kVA) | 全負荷型(全負荷対応型ハイブリッド構成)・特定負荷型を選択 |
| パナソニック 創蓄連携システムS+ | 蓄電池ユニット3.5/5.6/6.3kWh(最大37.8kWhまで構成可) | 2.0kVA(単相2線設定)、単相3線設定・200Vトランスユニット装備かつ蓄電池ユニット2台接続時は最大4.0kVA | 電力切替ユニットで全負荷対応、30Aタイプ(特定負荷ブレーカ付)で特定負荷対応 |
| 長州産業 Smart PV multi(第2世代) | 6.3/6.5/9.7/12.7/13.0kWh | 公式ラインアップページに記載なし(カタログで要確認) | 全負荷対応・特定負荷対応を選択 |
出典: ニチコン 単機能蓄電システム、ニチコン ESS-U4Xシリーズ、ニチコン ESS-U5シリーズ、オムロン KPBP-Aシリーズ、パナソニック 創蓄連携システムS+、長州産業 蓄電システム
この表から読み取れるのは、「全負荷型だから出力が大きい」とは限らないということです。ニチコンESS-U4X1は16.6kWhの大容量で全負荷対応ですが、停電時の合計出力は3.0kVA。一方、7.7kWhのESS-U5M1は4.0kVAです。停電時に同時に動かせる量は容量ではなく定格出力で決まるので、カタログのkVA表記を見比べてください。オムロンの4kVAのように、太陽光の発電状況によって上限が下がる(夜間や天候によりPV発電量が不足する場合は最大2.5kVA)と注記されている機種もあります。
もうひとつ、「全負荷対応モデル」と紹介されている機種でも特定負荷で組めることがあります。ニチコンはESS-U4X1とESS-U4M1について「「重要負荷(非常時兼用)分電盤」にも対応しており、目的に合わせて選択できます」と記載しています(出典: ニチコン ESS-U4Xシリーズ)。カタログの見出しだけで決めつけず、提案されている構成がどちらなのかを型番ベースで確認してください。
なお2026年8月3日に日本で発売されたテスラ Powerwall 3は、13.5kWh・定格出力9.69kW・保証10年という仕様です(設置は9〜10月以降の見込み、価格は非公表。詳細はPowerwall 3の徹底レビュー)。太陽光パワコンとの一体型か別体かという軸は負荷タイプとは別の話なので、混同しやすい方はハイブリッド蓄電池と単機能蓄電池の違いもあわせてご覧ください。
「特定負荷型は200Vが使えない」は機種次第
ネット記事でよく見る「特定負荷型は100V回路のみ、200V機器は使えない」という説明は、一律には当てはまりません。停電時に200V機器を動かせるかどうかは、次の2つで決まります。
- 蓄電池の自立運転出力が単相3線式(100V/200V)に対応しているか
- その200V回路をバックアップ対象に含めているか
たとえばニチコンESS-U4X1とESS-U4M1の停電時出力は「AC101V/AC202V(単相3線式)」で、公式Q&Aは「停電時、100V、200Vのどちらにも出力しますので200Vの製品も使用できます」と回答しています(出典: ニチコン ESS-U4 Q&A)。一方、パナソニック創蓄連携システムS+は単相2線設定だと2.0kVA、単相3線設定かつ200Vトランス装備時に最大4.0kVAという仕様で、構成によって200Vの扱いが変わります。
負荷タイプの名前だけで200Vの可否は判断できません。見積もり段階で型番を示したうえで「この構成で停電時に200Vのエアコンは使えますか」と個別に確認するのが確実です。
全負荷型でも「無制限」ではない
もうひとつの誤解が「全負荷型なら停電時に何でも使い放題」というものです。実際には出力の上限があります。ニチコンはESS-U4シリーズについて「100V、200Vともに15Aまでで、合計3kVAまでです。(家電製品起動時の電力を含む)」と明記しています(出典: ニチコン ESS-U4 Q&A)。全負荷型は「家じゅうのコンセントが生きている」状態であって、「同時に何でも動かせる」状態ではない、と理解しておくと導入後のギャップが減ります。
全負荷にすると、いくら高くなるのか
ここが最も情報が錯綜している論点です。切替機器は型番ごとに希望小売価格が公表されており、全負荷用と特定負荷用の両方を出しているメーカーもあります。 そこを起点にすれば、差額の目安を一次情報で押さえられます。
| 機器 | 型番 | 用途 | 希望小売価格(税抜) |
|---|---|---|---|
| ニチコン ESS-U4X1用 自動切替分電盤 | MA3237AC7-1-R | 全負荷 | 180,000円 |
| ニチコン ESS-U4M1用 自動切替分電盤 | EH-F1333-1-R | 全負荷 | 180,000円 |
| ニチコン ESS-U5シリーズ用 自動切替開閉器 | ES-B8E | 全負荷 | 190,000円 |
| パナソニック 電力切替ユニット(100Aタイプ・単相3線用) | LJTS1A01 | 全負荷 | 430,000円 |
| パナソニック 電力切替ユニット(60Aタイプ・単相3線用) | LJTS1601K | 全負荷 | 368,000円 |
| パナソニック 電力切替ユニット(30Aタイプ・特定負荷ブレーカ付・単相3線用) | LJTS3353 | 特定負荷 | 248,000円 |
| パナソニック 電力切替ユニット(30Aタイプ・特定負荷ブレーカ付・単相2線用) | LJTS2322 | 特定負荷 | 189,000円 |
| パナソニック 200Vトランスユニット(4kVA・据置) | LJTR241 | 単相3線設定時に必要 | 575,000円 |
出典: ニチコン ESS-U4Xシリーズ、ニチコン ESS-U5シリーズ、パナソニック 創蓄連携システムS+
読み取れることは2つあります。ひとつは、全負荷用の切替機器そのものが税抜18万〜43万円と幅があること。主幹ブレーカーの容量で選ぶ機器が変わり、パナソニックは100A以下ならLJTS1A01、60A以下ならLJTS1601Kと使い分けを明記しています。
もうひとつは、同じメーカー内で全負荷と特定負荷の機器代を比べると、差は十数万円規模だということです。パナソニックの単相3線用で比べると、全負荷の60Aタイプが36.8万円、特定負荷ブレーカ付の30Aタイプが24.8万円で、差額は12万円(いずれも税抜・工事費別)。「全負荷は数十万円高い」と言われたら、どの型番同士を比べた差額なのかを聞いてください。
なお停電時に200V機器を使う単相3線設定では、パナソニックの場合200Vトランスユニット(税抜57.5万円)が別途必要になります。切替機器の価格を公表していないメーカーもあるので、見積書に型番と単価が分けて書かれているかを確認してください。工事費は既存分電盤の位置や配線状況で変わるため、現地調査後の見積書でしか確定しません。
本体価格を公表しているメーカーもある
「蓄電池はすべてオープン価格」と説明されることがありますが、実際にはメーカー公式サイトに本体の希望小売価格が載っている製品もあります。ニチコンはESS-U4X1を税抜450万円、ESS-U4M1を税抜370万円と公表しています(出典: ニチコン ESS-U4Xシリーズ)。パナソニックも創蓄連携システムS+について構成別の希望小売価格合計を公表しており、蓄電容量5.6kWh(屋側)の基本構成で税抜282.1万円、12.6kWh(屋側)で税抜498.9万円としています(200Vトランスユニットは含まず。出典: パナソニック 創蓄連携システムS+)。一方、ニチコンESS-U5シリーズのようにパワーコンディショナと蓄電池ユニットの単品発注ができず、本体価格の記載がない製品もあります。
ただし、これは定価であって実際の販売価格ではありません。後述する国のDR補助金が補助対象の上限として置いていた12.5万円/kWh(設備費+工事費・据付費、税抜)で計算すると16.6kWhで207.5万円になり、定価とは大きな開きがあります。「定価から◯%引き」という見せ方をされたときは、割引率ではなく支払総額をkWhで割った単価で判断してください。
総額の妥当性を測る物差し
定価が分かっても実勢価格は分かりません。ただ、総額が妥当かを測る公的な基準はあります。国のDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正)の公募要領は、補助対象の要件として「2025年度目標価格(設備費+工事費・据付費、税抜)12.5万円/kWh(蓄電容量)」以下であることを定めていました(出典: SII 公募要領PDF)。公募は終了しましたが、直近まで国が線を引いた金額なので価格を見る出発点として使えます(詳しい読み方は蓄電池の見積書の見方)。
見落としやすい「切替機器の保証年数」
ニチコンはESS-U4X1とESS-U4M1について、本体保証10年、室内リモコン保証5年、自動切替分電盤の保証は1年、自然災害補償10年、有償の延長保証で最大15年と公表しています(出典: ニチコン ESS-U4Xシリーズ)。全負荷型の要となる機器の保証期間が本体と違う点は、契約前に確認しておきたいところです。
停電時に何時間もつのか
「全負荷型は電気の減りが速い」とよく言われますが、実際の持ち時間はメーカーが公式に示しています。ニチコンのQ&Aによれば、満充電で冷蔵庫・テレビ等の合計消費電力が400W程度だった場合、ESS-U4X1(16.6kWh)で約30時間、ESS-U4M1(11.1kWh)で約21時間継続して使えます(出典: ニチコン ESS-U4 Q&A)。
大事なのは、この「約21時間」「約30時間」が400Wという控えめな使い方を前提にした数字だという点です。全負荷型で家じゅうに給電できる状態にしておくと、意識しないまま他の部屋の照明や待機電力も消費します。オムロンが特定負荷型の利点として「停電時に使う電気を限定することで電気の使い過ぎを防ぎ、細く長く電気を使うことができます」と説明しているのは、この差を指しています。なおニチコンは蓄電システム自体の待機電力を「30W程度」としており、何も使っていなくても電力を消費します。
停電時の使い方全般は停電対策としての蓄電池活用法にまとめています。
補助金は全負荷型と特定負荷型で変わるのか
結論として、2026年8月時点で負荷タイプによって助成額を変える公的制度は確認できません。
- 国のDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正):正式名称は「令和7年度補正 再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)」です。公募要領を通読しても、全負荷型と特定負荷型に関する要件や加算の規定は見当たりません。補助上限は60万円/申請でしたが、2026年3月24日に公募開始、2026年5月29日に交付申請額の合計が予算に達したため公募終了しており、次回は未公表です(出典: SII 公式)。経緯といま使える代替策はDR補助金の終了と次回の見通しを参照してください。
- 東京都 令和8年度「家庭における蓄電池導入促進事業」:助成単価は蓄電容量10万円/kWh、DR実証に参加しない場合の上限は120万円/戸。DR実証に参加する場合は1台当たり10万円の加算があり、エネルギーマネジメント機器・IoT関連機器を設置する場合は加算額が1台当たり15万円になります(どちらか一方で、両方は積み上がりません)。蓄電池ユニットの増設は6万円/kWh・上限72万円/戸です。令和8年10月1日以降に事前申込をする場合は、SIIが補助対象機器として登録している機器に限られます(令和8年4月1日から同年6月30日までに契約締結または契約・工事完了した事業を除く)。負荷タイプによる差の記載はありません(出典: クール・ネット東京)。
「全負荷型にすれば補助金が増えます」といった説明を受けたら、制度名・年度・根拠となる要領のページを確認してください。
どちらを選ぶか:4つの質問と、見積もりで聞くこと
判断のための4つの質問
質問1:停電時に200Vの機器を動かしたいか。 エアコン、IH調理器、エコキュート、200Vの床暖房を停電時にも使いたいなら全負荷型が前提です。機種の自立出力が単相3線式に対応しているかを型番で確認してください。
質問2:家に「電気が止まると困る人」がいるか。 高齢者、乳幼児、在宅で医療機器や介護機器を使う家族がいるなら、どの部屋でも電気が使える全負荷型の安心感は大きくなります。ニチコンも全負荷対応の利点として、200Vエアコンが使えることによる熱中症対策を挙げています。
質問3:停電を「細く長く」しのぎたいか。 冷蔵庫の食品を守り、照明と通信を確保できれば十分なら特定負荷型で足ります。使う回路を絞るぶん、同じ容量でも持ち時間を伸ばせます。
質問4:切替機器の費用を許容できるか。 全負荷用の切替機器はメーカー公表の希望小売価格で税抜18万〜43万円、これに工事費が加わります。パナソニックの単相3線用で全負荷と特定負荷を比べた差額は12万円(税抜)でした。総額が国の目標価格12.5万円/kWhの水準からどれだけ離れるかで判断してください。
見積もり時に販売店へ聞く6つの質問
- この構成は全負荷対応ですか、特定負荷対応ですか(判断できる型番も)
- 全負荷にするための切替機器の型番と金額は見積書のどの行ですか
- 停電時の定格出力は何kVAですか。同時に使える上限(A・kVA)はいくつですか
- 停電時に200Vのエアコン・IH・エコキュートは使えますか
- 特定負荷の場合、どの回路をバックアップ対象にしますか(分電盤の回路名で)
- 切替機器の保証年数は何年ですか(本体保証と異なる場合があります)
訪問販売でその場で決めない
国民生活センターは2021年6月3日に「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!−事業者の突然の訪問を受けてもその場で契約はせずによく検討しましょう−」を公表しています。PIO-NETに寄せられた家庭用蓄電池に関する相談は2016年度325件、2017年度553件、2018年度926件、2019年度1,302件、2020年度1,314件と推移し(2021年4月30日までの登録分)、「事業者の突然の訪問等をきっかけに『この値段は今日限り』等と家庭用蓄電池の購入を急かされたり、長時間勧誘されて、冷静に十分な検討ができないままその場で契約しているケースが目立ちます」と指摘されています。消費者へのアドバイスとして「その場で契約をせずに複数社から見積もりをとり比較検討しましょう」「契約するときは契約書の内容をしっかり確認しましょう」が挙げられています(出典: 国民生活センター)。
同センターは2025年6月4日公表(2025年9月22日更新)の「太陽光発電システムの点検商法が急増!」でも、「点検が義務化された」と告げて訪問し、点検後に高額な契約を勧める手口に注意を促しています。この点検商法に関する相談は2017年度57件から2024年度613件へ増えています(出典: 国民生活センター)。
負荷タイプは配線工事を伴う設計事項です。その場で判断せず、図面と型番を持ち帰って比較してください。
まとめ
- 全負荷型と特定負荷型の違いは停電時に電気が届く範囲だけで、ふだんの使い勝手や電気代の下がり方には差がありません
- 停電時に同時に動かせる量は負荷タイプではなく**機種の定格出力(kVA)**で決まります。ニチコンESS-U4M1は合計3.0kVA、ESS-U5L1は5.9kVA、オムロンKPBP-Aの全負荷型は4kVA(夜間や天候によりPV発電量が不足する場合は最大2.5kVA)と公式に示されています
- 全負荷用の切替機器はメーカー公表の希望小売価格で税抜18万〜43万円(工事費別)。パナソニックの単相3線用で全負荷と特定負荷を比べた差額は12万円です。本体の希望小売価格を公表しているメーカーもありますが定価であり、実勢価格は見積書でしか確定しません
- 国のDR補助金の要領にも東京都の助成制度にも負荷タイプによる差の規定はありません。国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了し、2026年8月時点で新規申請はできません
負荷タイプは後から変えるのに分電盤まわりの工事が要る設計事項です。複数社から見積もりを取り、全負荷対応と特定負荷対応の両方の構成で型番・kVA・切替機器の金額を並べて比較することをおすすめします。