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「卒FITとは?固定買取終了後の3つの選択肢と最適な対処法」のタイトルカード
太陽光パネル #卒FIT #固定買取終了 #売電 #自家消費 #蓄電池

卒FITとは?固定買取終了後の3つの選択肢と最適な対処法

エネチョイス編集部

この記事の結論

卒FITとは、住宅用太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)の10年間の買取期間が満了することです。卒FIT対策は3つで、①今の電力会社に売電を続ける、②別の買取事業者に切り替える、③蓄電池などで自家消費を増やす、のいずれかです。2026年8月時点で各社が公表している卒FIT向け買取単価は、東北電力9円/kWh、東京電力エナジーパートナー8.50円/kWh、九州電力7.00円/kWh、中部電力ミライズ7〜8円/kWh(いずれも税込)。会社によって継続に申込みが必要かどうかが異なり、手続きを取らないと契約が途切れる場合があるため、まず自分の売電先の公式ページを確認することが最初の対策になります。

卒FIT対策で最初にやるべきことは、「自分の売電先の買取単価」と「継続に申込みが必要かどうか」を公式ページで確認することです。 買取単価は電力会社ごとに公表されており、2026年8月時点では1kWhあたり7円台から9円台に分かれています。そして見落とされがちなのが、放っておいても買取が続く会社と、申込みをしないと契約が途切れる会社があることです。

この記事でわかること

  • 卒FITの仕組みと、自分の買取期間満了日を確認する方法
  • 主要電力会社の卒FIT買取単価(2026年8月時点の公表値)と、申込みの要否
  • 3つの選択肢(売電継続・売電先の切替・自家消費)の判断材料
  • 蓄電池を検討する場合の費用の考え方と補助金の現況
  • 卒FIT世帯を狙う訪問販売トラブルと、クーリング・オフの期限

【2026年8月28日時点】 国の「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」(補助上限60万円/申請)は、2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため公募が終了しています。次回公募は公表されていないため、この補助金を前提にした資金計画は立てられません。出典: 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)事業概要

卒FITとは?わかりやすく解説

卒FITとは、住宅用太陽光発電の余剰電力を固定価格で買い取ってもらえる10年間の期間が満了することです。

出発点は2009年11月に始まった「余剰電力買取制度」です。沖縄電力が当時公表した資料では、10kW未満の低圧設備の購入単価は48円/kWh(税込)、購入期間は受給開始日から10年間と定められていました(出典: 沖縄電力「太陽光発電の新たな買取制度がスタートします」)。この制度と2012年開始のFIT制度により、住宅用太陽光の買取期間は10年と定められており、2019年11月以降、順次満了を迎えています(出典: 国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」)。

制度の前提そのものも変わりました。2026年度に新しくFIT認定を受ける住宅用(10kW未満)の買取価格は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです(出典: 資源エネルギー庁「買取価格・期間等」)。制度自体が「高く売る」から「自分で使う」へ軸足を移していることは、卒FIT後の判断にもそのまま当てはまります。

自分の満了日を確認する方法

満了日は毎月の検針票(購入電力量のお知らせ)や、電力会社から届く通知で確認できます。九州電力は、買取期間が満了するお客さまに対し、満了の約4か月前に「太陽光発電設備からの余剰電力買取期間の満了について」(買取期間満了のご案内)を郵送すると公表しています(出典: 九州電力「FIT制度による買取期間満了後の買取について」)。通知が届いたら、そのまま放置せず内容を確認してください。

卒FIT後の買取単価は電力会社でいくらか

各社が公式に公表している卒FIT向けの買取単価は、2026年8月時点で7円/kWh台から9円/kWh台に収まっています。 会社名のリンク先が出典です。

電力会社(小売)メニュー買取単価(税込)継続に申込みが必要か
東北電力シンプル買取9円/kWh必要(売電継続には申込みが前提)
東京電力エナジーパートナー再エネ買取標準プラン8.50円/kWh不要(満了まで同社に売電していた場合は自動で継続)
中部電力ミライズプレミアムプラン8円/kWh(電気料金に充当)必要(Web申込み・同社の対象電気料金メニュー加入が条件)
中部電力ミライズシンプルプラン7円/kWh(口座振込)不要(申込みをしない場合に適用)
九州電力買取期間満了後の買取7.00円/kWh不要(現契約に基づき新単価で継続)

中部電力ミライズにはこのほか、WAON POINTが付く「WAONプラン」(7円/kWh+2ポイント/kWh)と、余剰電力を仮想的に自家消費した扱いで電気料金に充当する「再エネスマートプラン」(7〜12円/kWh相当)があります。いずれもWeb申込みが必要です。

この3プランは買取額を現金で受け取るのではなく電気料金に充当する仕組みで、中部電力ミライズの対象電気料金メニューへの加入が条件です(他社の電気メニューや高圧受電は対象外)。口座振込で受け取れるのは、申込みをしない場合に適用されるシンプルプラン(半年に1度)です。

なお各社とも買取単価は見直す場合があると明記しており(東京電力エナジーパートナーは「今後、見直す場合がございます」、九州電力は「変更する場合があります」)、FIT期間中のような固定価格ではありません。

「放っておけば自動で買い取られる」とは限らない

ここが卒FIT対策で最も見落とされやすい点です。中部電力ミライズは、2017年4月以降に引越しなどで再エネ契約の変更があった場合は電話での申込み手続きが必要で、申込まなければ「いずれの事業者とも未契約状況となり、一般送配電事業者による無償引き取り対象となります」と明記しています。東北電力も、売電契約の継続には「シンプル買取」の申込みが必要としています。

自動継続を公表しているのは、満了時点で同じ会社に売電していたケースが中心です。契約者の変更や引越しを挟んでいる場合は条件から外れることがあります。通知が届いたら、まず自分がどちらに当たるかを確認してください。

卒FIT後の3つの選択肢

選択肢①:今の電力会社に売電を続ける

手続きが最も軽い選択肢です。自動継続の対象なら何もしなくても新単価で買取が続き、申込みが必要な会社でも電話やWebで完結します。契約の縛りも緩く、あとから他の選択肢に移りやすいため、判断を保留したい場合の受け皿にもなります。

一方で単価は各社が自ら決めるもので、見直しの可能性があります。FIT期間中のような固定価格ではない点は理解しておきましょう。

選択肢②:別の買取事業者に切り替える

卒FIT向けの買取メニューは、大手電力会社だけでなく新電力やガス会社なども提供しています。切り替える場合は、新しい買取先が指定する方法で申込みます(九州電力も、他社に売電する場合は新しい買取先の手続きに従うよう案内しています)。

比較するときは買取単価だけでなく、電気の購入契約とのセット条件、契約期間、解約条件をあわせて確認してください。買取単価が高くても、購入側の電気料金プランが割高なら世帯全体の収支では逆転することがあります。単価は各社の公式ページで最新値を確認するのが確実です。

選択肢③:自家消費を増やす

売る電気と買う電気の単価差が、自家消費を検討する根拠になります。 家電公取協(全国家庭電気製品公正取引協議会)が定める電力料金の目安単価は31円/kWh(税込、令和4年7月22日改定)で、電力・ガス取引監視等委員会が公表する「電力取引報」の集計値などに基づいて算出されています(出典: 家電公取協 よくある質問Q&A)。

たとえば東京電力エナジーパートナーの8.50円/kWhと比べると、同じ1kWhを売らずに自分で使えば、目安単価ベースで22.5円分の差が生じる計算になります。ただし実際の電気料金単価は契約プランや時間帯で変わるため、自宅の検針票に記載された単価に置き換えて考えてください。

自家消費を増やす手段は蓄電池だけではありません。日中に沸き上げるようエコキュートの運転設定を変える、家電の運転時間を昼にずらす、EVに昼間充電するといった対策も同じ方向です。余剰電力の使い道と自家消費の増やし方もあわせて検討してください。

蓄電池を検討するなら押さえておきたい費用と補助金

蓄電池の価格は「相場」で判断せず、自宅条件での見積書で確認してください。 家庭用蓄電池はメーカー希望小売価格を公表していないオープン価格の製品が多く、同じ機種でも工事内容や設置環境によって総額が変わります。容量の考え方は蓄電池の容量(kWh)の選び方を参考に、保証年数やサイクル数はメーカーのカタログ・保証書で個別に確認するのが確実です。

補助金の状況は2026年8月時点で次のとおりです。

  • 国の補助金:令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業(補助上限60万円/申請)は、2026年5月29日に予算到達で公募終了。新規申請はできません。次回公募は未公表です(SII)。経緯はDR補助金の終了と次の公募の見通しにまとめています。
  • 東京都:令和8年度「家庭における蓄電池導入促進事業」は、蓄電容量1kWhあたり10万円(助成対象経費(税抜)が上限)。DR実証に参加しない場合の上限は120万円/戸です。事前申込は令和8年5月29日開始、交付申請兼実績報告は令和8年6月30日開始(クール・ネット東京)。制度の詳細は東京都の蓄電池・太陽光補助金を参照してください。

なお東京都の事業では、令和8年10月1日以降に事前申込をする場合、国の「戸建住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業」の補助対象機器としてSIIに登録された機器のみが助成対象になります。機種を決める前に対象機器かどうかを確認してください。区市町村が独自に上乗せしている場合もあるため、自治体の公式ページも見ておきましょう。

3つの選択肢の比較

比較項目①売電を継続②売電先を切替③自家消費を増やす
初期費用なしなし機器代と工事費が発生
手続き会社により不要〜電話・Web新しい買取先へ申込み見積り、契約、工事、補助金申請
収支の見え方単価が明確で計算しやすい単価とセット条件の両方を要確認自宅の使用パターン次第で差が大きい
主なリスク単価が見直される条件変更や契約先の事業リスク想定した自家消費量に届かない可能性
向いている人手間をかけたくない人条件を比較して最適化したい人長く住む予定で夜間の電気使用が多い人

卒FIT後にやるべき手続きの流れ

  1. 満了日を確認する — 検針票(購入電力量のお知らせ)や電力会社からの通知で確認します。九州電力のように満了の約4か月前に郵送で通知する会社もあります。
  2. 今の売電先の卒FIT単価と申込要否を公式ページで確認する — 前掲の表のとおり、会社によって申込みの要否が違います。
  3. 続けるか、変えるか、自家消費に回すかを決める — 年間の売電量は検針票の月別実績から把握できます。他人の平均値ではなく自宅の数字で比べてください。
  4. 売電先を変える場合は新しい買取先に申込む — 申込みにはお客さま番号など、検針票や契約書類に記載された情報が必要です(中部電力ミライズは13桁のお客さま番号を事前に用意するよう案内しています)。九州電力は売電先の変更について「お手続きには、一定の時間を要する可能性がありますので、早めのお手続きをおすすめします」と案内しています。中部電力ミライズも、満了直後から新プランを適用したい場合は満了の約1〜2か月前までの申込みを求めています。満了日から逆算して進めてください。
  5. 蓄電池を導入する場合は補助金の受付期間と対象機器要件を先に確認する — 契約や工事の順番を誤ると対象外になることがあります。東京都の事業では、交付申請兼実績報告の前にDR実証契約を締結する必要があるなど、順序の条件が定められています。

卒FIT世帯を狙う訪問販売トラブルに注意

買取期間の満了時期は、事業者側からもおおよその見当がつきます。国民生活センターは2021年6月3日、家庭用蓄電池の勧誘トラブルについて注意喚起を公表しました。PIO-NETに登録された家庭用蓄電池に関する相談件数は、2016年度325件、2017年度553件、2018年度926件、2019年度1,302件、2020年度1,314件と増加しています(2021年4月30日までの登録分)。

同センターが挙げる典型的な手口は次のとおりです。

  • 太陽光パネルの「無料点検」で訪問し、故障や破損を告げて蓄電池を勧誘する
  • 電力会社の関連会社を名乗る
  • 「この値段は今日限り」「安くできるのはあと2件」などと契約を急がせる
  • 「補助金の申請は代行する」と説明しながら実際には申請していない

消費者へのアドバイスとしては、その場で契約せず複数社から見積りを取って比較すること、導入のメリットだけでなくそれに伴うコストも十分考慮すること、そして売電より自家消費のほうが経済的メリットが大きいとは限らない点が挙げられています(出典: 国民生活センター)。

契約してしまった場合、訪問販売に該当する取引であれば、法律で定められた書面を受け取った日から数えて8日以内はクーリング・オフができます(特定商取引法第9条。出典: 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」)。困ったときは消費者ホットライン「188」に相談してください。訪問販売への具体的な対応は太陽光・蓄電池の訪問販売への対処法で詳しく解説しています。

まとめ

  • 卒FIT後の買取単価は電力会社ごとに公表されている。 2026年8月時点で東北電力9円/kWh、東京電力エナジーパートナー8.50円/kWh、中部電力ミライズ7〜8円/kWh、九州電力7.00円/kWh(いずれも税込)。
  • 「何もしなくても自動で買い取られる」とは限らない。 東北電力は申込みが前提、中部電力ミライズは条件によって申込みをしないと無償引き取りの対象になると案内している。まず自分の売電先の公式ページを確認する。
  • 売る電気は7〜9円、買う電気の目安単価は31円/kWh(家電公取協)。 この差が自家消費を検討する根拠になるが、国民生活センターは自家消費が有利とは限らないとも注意喚起している。見積書と自宅の使用実績で判断する。
  • 国のDR家庭用蓄電池補助金は2026年5月29日に公募終了。 いま使えるのは東京都のような自治体の制度で、対象機器や申請順序の条件がある。補助金を前提にした急ぎの契約は避ける。

よくある質問

Q.卒FIT後の売電価格はいくらになりますか?

A.2026年8月時点で各社が公表している卒FIT向けの買取単価は、東北電力の「シンプル買取」が9円/kWh、東京電力エナジーパートナーの「再エネ買取標準プラン」が8.50円/kWh、中部電力ミライズが7〜8円/kWh、九州電力が7.00円/kWh(いずれも税込・非化石価値を含む)です。単価は見直される場合があるため、契約前に各社の公式ページで最新の金額を確認してください。

Q.卒FIT後は何も手続きしなくても売電を続けられますか?

A.電力会社によって異なります。東京電力エナジーパートナーと九州電力は、満了時点で同社に売電していれば申込み不要で新単価の買取に移行すると公表しています。一方、東北電力の「シンプル買取」は継続に申込みが必要です。中部電力ミライズは、2017年4月以降に再エネ契約の変更があった場合、電話で申込まないと「いずれの事業者とも未契約」となり一般送配電事業者による無償引き取りの対象になると案内しています。

Q.卒FIT対策として蓄電池は導入すべきですか?

A.一律には言えません。売る電気は7〜9円/kWh、買う電気の目安単価は31円/kWh(家電公取協・税込)なので自家消費に回す価値は高い一方、国民生活センターも、売電より自家消費のほうが経済的メリットが大きいとは限らないと注意喚起しています。機器代と工事費、補助金の有無、夜間にどれだけ電気を使うかを見積書ベースで確認してから判断してください。

Q.卒FIT後も太陽光パネルはそのまま使えますか?

A.FIT買取期間の満了は電気の買取契約の条件が変わることを意味し、発電設備が使えなくなるわけではありません。発電を続けて自家消費に回すことも、別の事業者に売電することもできます。ただし発電量の低下やパワーコンディショナの状態は設備ごとに異なるため、保証書の内容や点検の要否は施工会社・メーカーに個別に確認してください。

出典・参考にした一次情報

本記事は以下の公的機関・事業者の公表資料にもとづいて作成しています(記事更新日: 2026年8月28日)。制度・価格は改定されるため、申し込み前に各リンク先で最新の内容をご確認ください。

  1. 一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)事業概要 (dr-battery.sii.or.jp)
  2. 沖縄電力「太陽光発電の新たな買取制度がスタートします」 (www.okiden.co.jp)
  3. 国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」 (www.kokusen.go.jp)
  4. 資源エネルギー庁「買取価格・期間等」 (www.enecho.meti.go.jp)
  5. 九州電力「FIT制度による買取期間満了後の買取について」 (customer.kyuden.co.jp)
  6. 東北電力 (www.tohoku-epco.co.jp)
  7. 東京電力エナジーパートナー (www.tepco.co.jp)
  8. 中部電力ミライズ (katene.chuden.jp)
  9. 家電公取協 よくある質問Q&A (www.eftc.or.jp)
  10. クール・ネット東京 (www.tokyo-co2down.jp)
  11. 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」 (www.no-trouble.caa.go.jp)

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