2025年の家計調査では、5人世帯の電気代は1か月あたり15,665円でした。 二人以上の世帯の平均が13,218円なので差は月2,447円、単純に12倍すると年間187,980円です。ところが1人あたりに割り直すと、5人世帯は月3,133円で2人世帯(6,072円)のおよそ半分。「大家族は電気代が高い」は、世帯単位では正しく、1人あたりでは逆になります。
そしてもうひとつ、5人家族はエネルギーの使いどころが世帯平均と違います。環境省の統計では、5人世帯は給湯が全体の39%を占め、世帯平均の32%を上回ります。どこから手をつけるかを決めるとき、この偏りが効いてきます。
【2026年8月25日時点】 国のDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・上限60万円/申請)は2026年3月24日に公募が始まり、2026年5月29日に交付申請額が予算に達して公募終了しました。交付決定は総数8,508件・総額約35.93億円で締め切られ、次回公募は未公表です。2026年8月時点で国の補助金を前提にした購入計画は立てられません。出典: SII 令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業
この記事でわかること
- 総務省の家計調査で見た5人世帯の電気代の実額(月額・年額・世帯人員別の比較)
- 1人あたりに割ると人数が多い世帯のほうが安いという事実と、その意味
- 5人世帯のエネルギー消費が給湯に偏っていること(環境省の公的統計)
- 電力量料金の段階制が大家族に効く仕組みと、削る優先順位の決め方
- 太陽光・蓄電池が5人家族でどう効くか、2026年8月時点の補助金の状況
5人家族の電気代は月いくらか(2025年の家計調査)
世帯人員別の実額
総務省統計局の家計調査(家計収支編・二人以上の世帯・2025年平均)第3-1表「世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出」から、電気代を抜き出したのが次の表です。
| 世帯人員 | 電気代(2025年平均) | 電気代(2024年平均) |
|---|---|---|
| 2人 | 12,144円 | 10,878円 |
| 3人 | 13,915円 | 12,651円 |
| 4人 | 13,928円 | 12,805円 |
| 5人 | 15,665円 | 14,413円 |
| 6人以上 | 17,322円 | 16,995円 |
| 二人以上の世帯 平均 | 13,218円 | 12,008円 |
出典: 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表(e-Stat・第3-1表)(統計の概要は統計局 家計調査)
5人世帯の15,665円を単純に12倍すると年間187,980円です。前年の14,413円から1年で1,252円、率にして約8.7%上がりました。ただし二人以上の世帯の平均も12,008円から13,218円へ約10.1%上がっており、5人世帯だけが特別に値上がりしたわけではありません。
なお、3人(13,915円)と4人(13,928円)はほぼ同額です。人数が1人増えるたびに一定額ずつ増える、という単純な構造にはなっていません。
1人あたりで割ると景色が変わる
同じ表を1人あたりに直すと、印象がはっきり変わります。
| 世帯人員 | 電気代(月額) | 1人あたり |
|---|---|---|
| 2人 | 12,144円 | 6,072円 |
| 3人 | 13,915円 | 4,638円 |
| 4人 | 13,928円 | 3,482円 |
| 5人 | 15,665円 | 3,133円 |
| 6人以上 | 17,322円 | 2,750円 |
(1人あたりは編集部が世帯人員で除して算出。6人以上は同表の平均世帯人員6.3人で計算)
リビングの照明も、給湯器の待機電力も、人数が増えたからといって同じ倍率で増えるわけではありません。世帯として使う「土台の電力」を家族で分け合っているぶん、1人あたりは下がります。裏を返せば、5人家族の電気代のうち相当部分は人数に比例しない固定的な消費で、そこを削れれば全員に効くということです。
光熱・水道全体で見るとどうか
電気だけでなく、光熱・水道の内訳も並べておきます(いずれも2025年平均・1か月あたり)。
| 項目 | 5人世帯 | 二人以上の世帯 平均 |
|---|---|---|
| 電気代 | 15,665円 | 13,218円 |
| ガス代 | 4,877円 | 4,882円 |
| 他の光熱 | 1,003円 | 1,377円 |
| 上下水道料 | 6,726円 | 5,067円 |
| 光熱・水道 計 | 28,271円 | 24,544円 |
出典: 同上(家計調査 2025年平均 第3-1表)
興味深いのは、ガス代は5人世帯(4,877円)と平均(4,882円)でほとんど変わらないことです。一方で上下水道料は1,659円の差がつきます。人数が増えて確実に増えるのは「水の量」で、それをどのエネルギーで温めるかによって電気とガスの配分が変わる、という構造が見えます。
なお、この数字はあくまで全国平均、かつ二人以上の世帯の集計です。オール電化とそれ以外が混ざっており、寒冷地と都市部の差も均されています。自宅の位置づけを知りたいときは、世帯人数別の電気代平均とあわせて、手元の検針票(毎月の使用量kWh)と突き合わせるのが確実です。
5人家族のエネルギーは「給湯」に偏っている
用途別の構成比を見る
環境省の家庭部門のCO2排出実態統計調査(令和5年度・確報値)は、世帯人数別にエネルギーの用途別構成比を公表しています。
| 用途 | 5人世帯 | 全体 |
|---|---|---|
| 給湯 | 39% | 32% |
| 照明・家電製品等 | 32% | 35% |
| 暖房 | 18% | 22% |
| 台所用コンロ | 6% | 7% |
| 冷房 | 5% | 5% |
出典: 環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査 令和5年度 資料編(確報値)(参考図2-33。制度の概要は環境省 家庭CO2統計)
同じ調査で給湯の構成比を世帯人数順に並べると、1人26%、2人31%、3人34%、4人38%、5人39%、6人以上35%です。世帯人数が増えるほど給湯の比重が上がる傾向がはっきり出ています。逆に暖房は1人22%・2人25%から、4人・5人では18%まで下がります。部屋を暖めるという行為は1人暮らしでも必要なので、人数が増えるほど薄まるためと読めます。
つまり5人家族の節約は、まず給湯、次に照明・家電という順番に、公的統計の裏づけがあることになります。
機器の持ち方そのものが違う
同じ調査から、世帯人数別の機器の使い方を抜き出すと次のとおりです。
| 項目 | 5人世帯 | 全体 |
|---|---|---|
| エアコンの使用台数(平均) | 3.43台 | 2.28台 |
| 暖房室数(平均) | 2.77室 | 2.02室 |
| 冷蔵庫の使用台数(平均) | 1.36台 | 1.20台 |
| 電気ヒートポンプ式給湯器(エコキュートなど)の使用率 | 33.5% | 16.8% |
| ガス給湯器・風呂がま(エコジョーズを含む)の使用率 | 52.0% | 64.9% |
出典: 同上(図2-35、図2-59、図2-10、表2-3。給湯器は複数回答)
エアコンは2人世帯の2.48台に対して5人世帯は3.43台、6人以上では4.52台です。暖房する部屋数も5人世帯で平均2.77室あり、全体平均の2.02室を大きく上回ります。同時に動いている機器の数が多いことが、大家族の電気代の実態です。
照明については、住宅全体でLED照明のみを使っている5人世帯は33%。一方で白熱電球が残っている世帯は、LEDと併用しているケースが22%、LEDを使っていないケースが6%で、合わせて28%あります(図2-79)。部屋数が多いぶん、残っている白熱電球の本数も多くなりがちです。
給湯については、5人世帯の33.5%が電気ヒートポンプ式給湯器(エコキュートなど)を使っており、全体平均16.8%の2倍です。給湯の比重が大きい世帯ほど、給湯方式の見直しが先に進んでいるとも読めます。方式ごとの違いはエコキュートの電気代で整理しています。
電気代の単価構造と、削る優先順位
使うほど単価が上がる(規制料金の場合)
電気代は「使用量 × 単価」ですが、その単価は一定ではありません。東京電力エナジーパートナーの規制料金プラン「従量電灯B」の場合、電力量料金は三段階です。
| 区分 | 単価(税込) |
|---|---|
| 第1段階料金(最初の120kWhまで) | 29円80銭 |
| 第2段階料金(120kWhをこえ300kWhまで) | 36円40銭 |
| 第3段階料金(上記超過) | 40円49銭 |
基本料金は契約アンペアごとに、30A 935円25銭、40A 1,247円00銭、50A 1,558円75銭、60A 1,870円50銭です。同社は「実際の電気料金は、各表中の電力量料金に燃料費調整額を加えて算定します」と注記しており、これに再生可能エネルギー発電促進賦課金が加算されます。
出典: 東京電力エナジーパートナー 料金単価表‐電灯(2026年8月25日確認)
ここが5人家族に効いてきます。使用量が月300kWhを超えると、追加で使う1kWhも、削った1kWhも、第3段階の40円49銭で計算されるからです。単価の安い第1段階でやりくりしている世帯より、同じ1kWhの節電が持つ金額インパクトは大きくなります。大家族にとっては数少ない有利な条件です。
なお段階の区切りや単価は電力会社・プランによって違い、自由料金プランには段階制でないものもあります。まずは検針票と、契約中のプランの単価表を見比べてください。
手をつける順番
用途別の構成比と機器の持ち方を踏まえると、5人家族の優先順位は次のように整理できます。金額効果は住宅・機器・地域で大きく変わるため、ここでは削減額を断定しません。手元の検針票のkWhと契約単価で試算してください。
- 給湯(構成比39%)— 追い焚きの回数、浴槽の保温、シャワーの使い方、給湯器の方式。人数が多いほど、1回あたりの改善が効く回数も多くなります
- エアコンと暖房室数(平均3.43台・2.77室)— 台数を減らすより、同時に動く時間を減らすほうが現実的です。家族の在宅時間が重なる時間帯をリビングに寄せられるかを見ます
- セカンド冷蔵庫(5人世帯の平均1.36台)— 2台目が常時稼働しているなら、中身の量に見合っているかを一度確認します
- 照明(白熱電球が残る世帯が28%)— 部屋数が多いぶん、置き換えの効く箇所も多く残っています
- 契約アンペアと料金プラン — ただし5人家族は同時使用が多く、アンペアを下げるとブレーカーが落ちやすくなります。下げられるかは実際の同時使用の実態次第です
太陽光と蓄電池は5人家族でどう効くか
いま「売っている電気」の量を見る
環境省の同じ調査には、太陽光発電システムを使っている世帯の実績も出ています。
| 項目 | 使用世帯当たりの平均 |
|---|---|
| 太陽電池の総容量 | 5.0kW |
| 年間発電量 | 5,800kWh |
| 年間売電量 | 3,953kWh |
| 売電による年間受領金額 | 9.1万円 |
出典: 環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査 令和5年度 資料編(確報値)(図2-95〜図2-98)
発電量5,800kWhのうち3,953kWh、およそ3分の2を売電に回している計算です。ここに2026年度の売電単価が重なります。住宅用FIT(10kW未満)は1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです(出典: 資源エネルギー庁 買取価格・期間等)。
一方で買う電気は、先の従量電灯Bなら第3段階で40円49銭。5年目以降の売電単価8.3円と、買電単価40円台の差が、蓄電池が検討される理由です。売っていた電気を夜に自宅で使えれば、その差額分が家計に残ります。
ただしこれは、蓄電池を入れれば誰でも得をする、という話ではありません。国民生活センターも、余剰電力の売電より自家消費のほうが経済的なメリットが大きいとは限らない、と消費者向けに注意喚起しています(後述)。自宅の発電量・売電量・夜間の使用量を実測データで確認してから判断するのが順序です。
5人世帯の普及率は平均より高い
同調査によると、太陽光発電システムの使用率(戸建)は1人5.8%、2人9.7%、3人12.7%、4人19.4%、5人21.9%、6人以上18.2%で、戸建全体は11.7%。家庭用蓄電システムの使用率は1人0.5%、2人1.7%、3人3.3%、4人4.4%、5人6.5%、6人以上6.6%で、全体は2.0%です(図2-92、図2-126)。5人世帯は太陽光・蓄電池のいずれも平均を上回っています。
容量はカタログではなく自宅の使用量から決める
参考までに、同調査で5人世帯の年間電気消費量は23.2GJ/世帯・年でした。同じ調査の全国平均14.1GJが年間3,911kWhと公表されていることから、1kWh=3.6MJで換算すると5人世帯はおよそ6,400kWh/年、月あたり約540kWhという水準になります(換算は編集部。調査年度は令和5年度)。
ただしこれは全国平均です。蓄電池の容量選びで本当に必要なのは「自宅の、夜間の」使用量なので、検針票やスマートメーターのデータから確認してください。考え方は蓄電池の容量の選び方で解説しています。
主要メーカーが公式サイトで公表している蓄電容量のラインナップは次のとおりです。
| メーカー | 製品 | 蓄電容量 |
|---|---|---|
| 京セラ | Enerezza PlusⅡ | 5.7 / 11.4 / 17.1kWh |
| ニチコン | ESS-U5シリーズ | 7.7 / 9.7kWh |
| ニチコン | ESS-U4M1・ESS-U4X1 | 11.1kWh・16.6kWh |
| 長州産業 | Smart PV multi(2機種) | 6.5 / 9.8 / 16.4kWh、6.3 / 6.5 / 9.7 / 12.7 / 13.0kWh |
| 長州産業 | Smart PV plus(2機種) | 7.04 / 14.08kWh、7.7 / 15.4kWh |
| テスラ | Powerwall 3 | 13.5kWh |
出典: 京セラ Enerezza PlusⅡ(機器保証15年・容量保証15年・自然災害保証10年、最大6,000Wの出力)、ニチコン 単機能蓄電システム(ESS-U5シリーズは定格出力5.9kW〈タイプL接続時〉・全負荷/特定負荷対応。15年の無償保証はニチコンオーナーズ倶楽部への会員登録と申請が条件で、ESS-U4M1とESS-U4X1は充電可能容量50%以上を設置から10年保証)、長州産業 蓄電システム(同社は4機種とも「Smart PV multi」「Smart PV plus」の名称で掲載しています)、テスラ Powerwall(同ページに蓄電容量13.5kWh・保証10年の記載。Powerwall 3の定格出力は最大9.69kW)
なおテスラのPowerwall 3は2026年8月3日に日本での発売が発表されたばかりで、設置は2026年9〜10月以降の予定です。すぐに設置したい場合は、機種の在庫と工事時期を先に確認してください。
価格については、2026年8月時点でいずれのメーカーも公式サイトに記載がありません。 京セラも長州産業も製品ページに価格の表示はなく、テスラも日本での本体価格を公表していません。家庭用蓄電池はオープン価格が一般的で、実際の負担額は販売店の見積もりで確認するものだと理解しておいてください。
2026年8月時点の補助金と、契約前に確認すること
国の制度は「使えない期間」に入っている
冒頭のとおり、国のDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・上限60万円/申請)は2026年5月29日に交付申請額が予算に達して公募終了しました。交付決定は総数8,508件・総額約35.93億円です。次回公募は未公表のため、2026年8月時点で「国の補助金が出るので安くなる」という説明は成り立ちません。詳しくは国のDR補助金の終了と次回の見通しにまとめています。
自治体の制度は動いている
東京都の令和8年度「家庭における蓄電池導入促進事業」は次の内容です。
- 蓄電池パッケージ: 蓄電容量10万円/kWh、DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸
- 蓄電池ユニット増設: 蓄電容量6万円/kWh、DR実証に参加しない場合の上限72万円/戸
- DR実証に参加する場合は1台あたり10〜15万円の加算
- 事前申込の開始は令和8年5月29日、交付申請兼実績報告の開始は令和8年6月30日
- 令和8年10月1日以降の事前申込は、SIIによって令和8年度の登録済製品一覧に登録された機器のみが助成対象(4月から6月30日までに契約済みの事業を除く)
- 設置期限は令和8年4月1日から令和11年3月30日まで
出典: 東京都 家庭における蓄電池導入促進事業(令和8年度)
登録品の要件が期日で切り替わる点は見落としやすいところです。都内で検討している方は東京都の蓄電池補助金2026もあわせて確認してください。
訪問販売のトラブルは公的に注意喚起されている
国民生活センターは2021年6月3日に「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」を公表しています。PIO-NETに寄せられた家庭用蓄電池の相談件数は2016年度325件、2017年度553件、2018年度926件、2019年度1,302件、2020年度1,314件と推移しました。
同センターが挙げる事例には、太陽光パネルの無料点検で訪問した事業者から「国の補助金が出るので安くなる」と言われて約200万円の契約に至ったケース、電力会社の関連会社を名乗る事業者に勧誘されたケース、「安くできるのはあと2件」と急かされたケースが並びます。消費者へのアドバイスとしては、事業者名や目的をしっかり確認すること、導入のメリットだけでなくコストも十分考慮すること、余剰電力の売電より自家消費のほうが経済的なメリットが大きいとは限らないこと、その場で契約せず複数社から見積もりをとって比較検討すること、が挙げられています(出典: 国民生活センター)。
見積もりを取るときに、書面で確認しておきたい項目は次のとおりです。
- 蓄電池ユニットの型式と、蓄電容量・初期実効容量の両方
- 停電時に全負荷型か特定負荷型か
- 機器保証の年数と対象機器、容量保証の年数と判定値
- 電気代削減額の試算が、何kWhを何円/kWhで計算したものか
- 補助金を前提にした試算なら、その制度が現在も申請できるか
まとめ
- 2025年の家計調査(二人以上の世帯)では、5人世帯の電気代は月15,665円、単純に12倍して年間187,980円。二人以上の世帯の平均13,218円との差は月2,447円で、前年からは約8.7%の上昇
- ただし1人あたりに割ると5人世帯は月3,133円で、2人世帯の6,072円のおよそ半分。人数に比例しない「土台の消費」を削れれば全員に効く
- 環境省の統計では5人世帯のエネルギー消費は給湯39%・照明・家電32%・暖房18%。エアコン平均3.43台、暖房室数平均2.77室と、機器の持ち方そのものが平均と違う
- 太陽光を使っている世帯は年間5,800kWhの発電のうち3,953kWhを売電しており、2026年度FITは5〜10年目8.3円/kWh。国のDR補助金は2026年5月29日で公募終了しているため、補助金を前提にした資金計画は現在の公募状況を確認してから組む