【2026年8月19日時点】 北海道(道)に個人向けの直接補助はなく、窓口は市町村です。札幌市の第2回募集は2026年9月1日〜11月4日(郵送必着・抽選予定日11月18日)、旭川市の第1回受付は8月31日必着。国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了。出典: 札幌市公式、北海道公式。最新状況は各公式サイトで要確認。
北海道で蓄電池・太陽光を検討している方がまず知っておくべきなのは、「道の補助金」を個人が直接もらう道はないということです。金額も受付期間も、住んでいる市町村でまったく違います。
この記事では、道の制度の正体、札幌市・旭川市・函館市・苫小牧市の令和8年度(2026年度)制度、国の補助金の状況、そして寒冷地・積雪地ならではの申請上の落とし穴を、2026年8月時点の一次情報だけで整理します。
この記事でわかること
- 北海道(道)の制度は「市町村への支援」であり個人は直接申請できないこと
- 札幌市「再エネ省エネ機器導入補助金制度」の金額・条件・第2回の日程
- 旭川市・函館市・苫小牧市の令和8年度制度と、市によって真逆になる申請の順番
- 道が実施する「太陽光発電及び蓄電池システム共同購入事業」の対象地域と期間
- 国のDR補助金(終了)との関係と、寒冷地で確認すべき設置条件
北海道(道)の制度は「市町村への支援」
道の「住まいのゼロカーボン化推進事業」は、住宅を取得したり太陽光発電設備・蓄電池を導入したりする住民に補助金を出す市町村に対して、道がその経費の一部を交付する制度です。道の公式ページには「こちらの事業は市町村が申請する事業になります。道民や事業者の方は直接申請できませんのでご注意ください」と明記されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 住まいのゼロカーボン化推進事業(交付要綱は令和8年4月1日施行) |
| 補助を受ける人 | 道内市町村(住民は直接申請できない) |
| 補助額 | 住宅への太陽光発電設備及び蓄電池の導入の場合、150,000円/戸。ただし市町村が住民等に交付した補助金の2分の1が上限 |
| 対象市町村 | ゼロカーボンシティ宣言をしている道内市町村(札幌市を除く) |
| 対象 | 既存住宅または既存集会場等への太陽光発電設備および蓄電池の導入 |
| 太陽光の要件 | 蓄電池と接続し発電した電気を住宅で消費、合計出力10kW未満、余剰型配線、電力系統に連系できること、未使用品 |
| 蓄電池の要件 | 常時太陽光発電と接続して充放電できるリチウムイオン蓄電池、蓄電容量20kWh未満、電力系統に連系できること、未使用品 |
出典: 北海道 住まいのゼロカーボン化推進事業(補助金交付要綱 令和8年4月1日施行)
ここで押さえたいポイントは3つです。
- 札幌市はこの制度の対象外(要綱で補助事業者から明示的に除かれています)。札幌市民は市の独自制度を使います
- 住んでいる市町村がこの事業を活用しているとは限らない。道は活用市町村の一覧をPDFで公開していますが、最新版は令和7年度時点です
- 既存住宅への導入が対象。新築同時は市町村側の別メニューになることがあります
道の「共同購入事業」という選択肢
補助金とは別に、道は協定事業者(アイチューザー株式会社)と「太陽光発電及び蓄電池システム共同購入事業」を実施しています。購入希望者を募って一括発注し、スケールメリットで価格低減を図る仕組みです。
- 参加登録期間: 2026年4月9日〜12月9日
- 設置対象地域: さっぽろ連携中枢都市圏(札幌市、小樽市、岩見沢市、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村、南幌町、長沼町)、胆振管内11市町(室蘭市、苫小牧市、登別市、伊達市、豊浦町、壮瞥町、白老町、厚真町、洞爺湖町、安平町、むかわ町)、上川管内1市(旭川市)
- 道の公式ページによれば、見積もりへの参加登録に費用はかからず、登録者に購入を義務づけるものではありません。令和7年度は607世帯が参加登録
なお道は「事業の窓口はみんなのおうちに太陽光キャンペーン事務局のみ」と注意喚起しています。
札幌市「再エネ省エネ機器導入補助金制度」(2026年度)
道内で最も利用者が多いのが札幌市の制度です。市民が自ら機器を購入して設置するケースが対象で、蓄電池は既設の太陽光がある住宅なら単独申請もできます。
| 補助対象機器 | 補助金額 |
|---|---|
| 太陽光発電 | 1kWあたり2万円(上限13万9千円) |
| 定置用蓄電池 | 1kWhあたり1万6千円(上限6万4千円) |
| エネファーム | 8万円(定額) |
| 地中熱ヒートポンプ | 20万円(定額) |
| ペレットストーブ | 1台あたり5万円(定額) |
例えば太陽光5kW+蓄電池7kWhなら、太陽光は2万円×5kW=10万円、蓄電池は1万6千円×7kWh=11万2千円のところ上限の6万4千円となり、合計16万4千円が目安です。太陽光を約7kW以上載せると太陽光側が上限13万9千円に達し、蓄電池と合わせて20万3千円が制度上の最大となります。
主な要件(2026年度)
- 太陽光発電: 既設または新設の蓄電設備(定置用蓄電池、またはEV+V2H充電設備)と接続すること。太陽光モジュール合計出力1.5kW以上、余剰型配線または全量自家消費型(全量売電は不可)、北海道電力ネットワークの電力系統に連系できること、住宅の敷地内に固定すること(可動式は対象外)、未使用品であること
- 定置用蓄電池: 既設または新設の太陽光発電設備(合計出力1.5kW以上)と接続すること。リチウムイオン蓄電池、太陽光のパワーコンディショナーと直接接続、蓄電池容量2.0kWh以上、メーカー指定の環境条件に設置すること、本体購入費が1台あたり10万円以上(税抜き)、未使用品であること
- 共通: 札幌市民(または居住予定者)、市税の滞納がないこと、同一年度に本制度の補助を受けていないこと。太陽光の補助を受ける場合は「札幌市エコエネクラブ」への入会が必要
受付日程と「設置後に申請」という順番
| 募集回 | 募集期間(必着) | 抽選予定日 | 状況 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 2026年5月7日〜7月8日 | 2026年7月22日 | 募集終了 |
| 第2回 | 2026年9月1日〜11月4日 | 2026年11月18日 | 募集開始前 |
第1回は応募額が予算額を超えなかったため抽選は実施されず、申込みは全件受理となりました。第2回終了後は、予算に余剰がある場合のみ先着順で追加募集が行われます。
札幌市で特に注意したいのが申請の順番です。補助対象は「2026年2月7日以降に取得(設置業者や販売店から引き渡される)した機器」で、交付決定前の着工を禁じる自治体とは考え方が異なります。申込み後、当選(補助金受領予定者)となったら「補助金交付申請兼完了届」を提出する流れで、提出期限は「機器取得日の翌日から90日」と「当選した募集回の抽選予定日の翌日から90日」の遅い方(上限は2027年2月5日)です。第2回に当選した場合は、計算上どの取得日でも2027年2月5日が期限になります。申込みは同一年度(2026年4月1日〜2027年3月31日)に1世帯1回のみです。
旭川市・函館市・苫小牧市の令和8年度制度
札幌市以外の主要都市も独自制度を持っていますが、金額も申請の順番も併用可否もバラバラです。
旭川市「地域エネルギー設備等導入促進事業補助金」
| 補助対象機器 | 補助率(上限額) |
|---|---|
| 太陽光発電設備 | 対象経費の10分の1(上限10万円) |
| 定置用リチウムイオン蓄電池 | 対象経費の10分の1(上限10万円) |
| 地中熱ヒートポンプ | 対象経費の10分の1(上限10万円) |
| 燃料電池システム(エネファーム) | 対象経費の10分の1(上限10万円) |
| ガスエンジンコージェネ(コレモ) | 対象経費の10分の1(上限5万円) |
出典: 旭川市 令和8年度旭川市地域エネルギー設備等導入促進事業補助金
旭川市は札幌市と真逆で、交付決定通知を受けた日以降でなければ工事に着手できません。第1回の交付申請受付は令和8年4月17日〜8月31日(必着)、交付予定額は500万円で、予算額に到達次第終了します。さらに一申請者につき同一場所・同一年度で1回1設備なので、太陽光と蓄電池の両方を補助対象にすることはできません。施工業者も、市内に本店・支店・営業所を有する事業者か、北海道の共同購入事業における事業者に限られます。
函館市「新エネルギーシステム導入補助金」
| 補助対象設備 | 補助金額 |
|---|---|
| 太陽光発電システム | 最大5万円 |
| 定置用リチウムイオン蓄電池 | 最大5万円 |
| ガスエンジンコージェネレーション | 最大5万円 |
出典: 函館市 令和8年度 函館市新エネルギーシステム導入補助金の募集について
募集期間は令和8年4月1日〜令和9年3月1日と長いものの、先着順で申請額が予算に達した段階で終了します。**「国や北海道等の補助金との併用はできません」**と明記されている点が最大の注意点です。工事着手の2週間以上前に申請が必要で、交付決定前に着工したり建売住宅の引渡しを受けたりすると対象外になります。令和8年度からは家庭用燃料電池(エネファーム)とEV・PHEVが補助対象外になりました。
苫小牧市「ゼロカーボンハウス促進補助金」
環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)を活用しており、道内でも手厚い部類です。
| 区分 | 対象機器 | 補助額 |
|---|---|---|
| 国費 | 太陽光発電設備 | 7万円/kW(70万円)以内 |
| 国費 | 定置用リチウムイオン蓄電池 | 設置費用の3分の1(1kWhあたり14.1万円未満)以内 |
| 国費 | エコキュート | 設置費用の4分の1(18万円)以内 |
| 市費 | 定置用リチウムイオン蓄電池 | 新築: 設置費用の10分の1(12万円)以内、既存: 設置費用の6分の1(20万円)以内 |
| 市費 | HEMS | 設置費用の10分の1(4万円)以内 |
| 市費 | 給電装置 | 設置費用の10分の1(3万円)以内 |
出典: 苫小牧市 令和8年度苫小牧市ゼロカーボンハウス促進補助金
苫小牧市は予算残額を公表しており、令和8年8月6日時点で国費26,674,000円、市費2,218,000円。市は「既存住宅の蓄電池・HEMSの予算枠が少なくなっています。申請予定の場合は申請前にお問い合わせください」と案内しています。申請は電子申請(HARP)または郵送です。
その他の市町村は、「(市町村名) 蓄電池 補助金 令和8年度」で公式ページを探し、金額・受付状況・申請の順番の3点を確認してください。制度自体がない自治体もあります。全国の制度の並びは蓄電池・太陽光の補助金一覧、手厚さの比較対象としては東京都の蓄電池・太陽光補助金も参考になります。
寒冷地・積雪地で確認すべきこと
北海道特有の注意点は、精神論ではなく要綱の文言に現れています。
- 札幌市は蓄電池の要件に「メーカー指定の環境条件に設置すること」を挙げています。屋外設置型は製品ごとに動作温度範囲や設置環境の指定が異なるため、カタログと保証条件を契約前に確認する必要があります。指定条件から外れた設置は、補助金の対象外になるだけでなくメーカー保証にも影響します
- 同じく札幌市はエネファームの要件に「マイナス15℃の環境下でも安定した動作をする耐寒性能を備えていること」を明記しています。自治体が耐寒性能を要件化している事実は、機器選定でも同じ視点が要るというサインです
- 太陽光については、札幌市は「屋根や壁面、窓ガラス、カーポート等住宅の敷地内に固定すること(可動式は対象外)」としています。積雪荷重や落雪の扱いも含め、架台の設計と屋根の耐荷重は見積もり段階で施工会社と詰めてください
- 札幌市は制度の目的として「ブラックアウトの経験から非常時でも電気が使える自立分散型電源の構築」を掲げています。北海道で蓄電池を導入する意義が防災面で語られるのは、行政側の制度設計にも織り込まれています
蓄電池を後から足すか同時に入れるかで補助金の使い方も変わります。順番の考え方は太陽光だけ先に導入するのはあり?にまとめました。なお2026年度の住宅用FIT(10kW未満)は1〜4年目24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWhで(資源エネルギー庁 買取価格・期間等)、売電よりも自家消費を厚くする設計が前提になります。
国のDR補助金との関係
- 国のDR補助金(令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業・上限60万円/申請)は、2026年3月24日に公募開始し、2026年5月29日に交付申請額が予算に達したため公募終了(SII公式)。次回は未公表です
- したがって2026年8月時点で新規に狙えるのは、市町村の制度と道の共同購入事業です
- 次回の国の公募が出た場合も、併用可否は自治体ごとに違います。函館市のように明確に併用不可の自治体もあるため、必ず申請前に確認してください
- 次回に備える準備は国のDR補助金は終了、次回はいつ?を参照
申請の流れと注意点
北海道では自治体によって申請の順番が真逆です。ここを間違えると補助金がゼロになります。
- 住んでいる市町村の制度を公式ページで確認する(制度の有無・金額・受付期間・予算残額)
- 申請の順番を確認する。旭川市・函館市のように「交付決定前の着工は不可」の自治体と、札幌市のように「2026年2月7日以降に取得した機器が対象」で設置後に完了届を出す自治体がある
- 要件を満たす機器か施工会社と確認する。札幌市なら蓄電池2.0kWh以上・本体10万円以上(税抜)・太陽光1.5kW以上との接続、道の制度経由なら蓄電容量20kWh未満・太陽光10kW未満など
- 併用可否を窓口に確認する。函館市は国や北海道等との併用不可を明記
- 申請 → 交付決定または当選通知 → 工事 → 完了報告・実績報告 → 審査 → 振込(入金時期の目安は補助金はいつ振り込まれる?)
書類の締切も自治体ごとに厳格です。札幌市は完了届の提出期限が最長でも2027年2月5日、旭川市は工事代金の支払終了から45日以内かつ令和9年2月26日まで、函館市は完了日の翌日から30日以内。工事日程よりも書類の締切から逆算するのが安全です。
まとめ
- 北海道(道)に個人向けの直接補助はない。道の制度は市町村への支援(太陽光+蓄電池で上限15万円/戸、札幌市は対象外)
- 札幌市は蓄電池1kWhあたり1万6千円(上限6万4千円)+太陽光1kWあたり2万円(上限13万9千円)。第2回は2026年9月1日〜11月4日、抽選予定日11月18日
- 旭川市は対象経費の10分の1(上限10万円)だが1申請1設備・交付決定前の着工不可・第1回は8月31日必着。函館市は各最大5万円で国や北海道等との併用不可。苫小牧市は太陽光7万円/kW以内などで予算残額を公表中
- 寒冷地では「メーカー指定の環境条件に設置」など要綱の文言そのものが機器選定の条件になる
- 国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了。次回は未公表