【2026年8月19日時点】 岡山県は住宅用の太陽光・蓄電池に県から個人へ直接は補助していません(窓口は市町村)。出典: 岡山県 各市町村の補助金(家庭向け)情報。岡山市は令和9年3月10日まで、倉敷市は令和9年3月31日まで受付中(いずれも予算・件数に達し次第終了)。国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了。
岡山県で蓄電池・太陽光を検討している方が最初につまずくのが「県の補助金を探しても見つからない」という点です。これは制度設計上そうなっているためで、岡山県内では市町村の補助金が主役になります。この記事では、県の立ち位置、岡山市・倉敷市の金額と受付状況、国の補助金の現状、申請の流れを2026年8月時点の一次情報で整理します。
この記事でわかること
- 岡山県が個人に直接補助していない理由と、正しい探し方
- 岡山市「住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業」の金額・条件・受付状況
- 倉敷市「創エネ・脱炭素住宅促進補助金」の金額と件数の残り
- その他の市町村(制度がない自治体もある)の調べ方
- 国のDR補助金(終了)との関係と、申請の順番の注意点
岡山県は個人に直接補助していない(窓口は市町村)
岡山県のページには、次のように明記されています。
岡山県では、省・創・畜エネルギー設備等の普及を図るため、これらの設備を補助する市町村に対して、補助金を交付しています。県民の皆様の申請窓口は、補助事業を実施している各市町村になります。(直接、県から設置される方への補助金の交付は行っておりません。)
出典: 岡山県 各市町村の補助金(家庭向け)情報(一覧は令和8年6月1日時点)
つまり県のお金は入っているものの、申請先も金額の決め方も市町村ごとということです。「岡山県 蓄電池 補助金」で検索して県の申請フォームを探しても出てこないのは、これが理由です。
なお、事業者向けには県の直接補助があります。令和8年度の「自家消費型太陽光発電設備の導入支援」は5万円/kW(上限800万円)でしたが、令和8年6月12日17時必着で応募受付が終了しています(岡山県公式)。店舗併用住宅や個人事業主の方は、家庭向けとは別枠でこうした制度を確認する価値があります。
岡山市「令和8年度 住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業」
政令指定都市の岡山市は、県内でもっとも金額の大きい部類の制度を持っています。
| 補助対象機器 | 補助率・単価 | 上限額 |
|---|---|---|
| 太陽光発電設備 | 3万円/kW | 15万円 |
| 蓄電池 | 1.5万円/kWh | 20万円 |
| V2H | 1/5 | 15万円 |
| HEMS | 1/5 | 2万円 |
| 窓断熱(窓、ガラス) | 1/5 | 10万円 |
| 家庭用燃料電池(エネファーム) | 1/3 | 15万円 |
| 太陽熱利用システム(自然循環型) | 1/5 | 3万円 |
| 太陽熱利用システム(強制循環型) | 1/5 | 5万円 |
出典: 令和8年度 岡山市住宅用スマートエネルギー導入促進補助事業(ご案内PDF)
太陽光は「太陽電池モジュールの公称最大出力合計値またはパワーコンディショナーの定格出力合計値のいずれか小さい方」に3万円/kWを掛けた額、蓄電池はSII(環境共創イニシアチブ)に登録された蓄電池容量1kWhあたり1.5万円で計算します。令和8年度は太陽光発電設備と蓄電池の補助率・上限額が引き上げられました。
例えば太陽光5kW+蓄電池10kWhなら、15万円(上限到達)+15万円=30万円が目安です。
岡山市の主な条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受付期間 | 令和8年5月1日〜令和9年3月10日(当日消印有効・郵送)。申請額が予算額に達した日で受付終了 |
| 申請の順番 | 全ての機器が導入後の申請(工事前の交付決定は不要) |
| 導入日の要件 | 令和8年3月1日〜令和9年2月28日(建売住宅は引渡日) |
| 蓄電池の条件 | 太陽光発電設備と併せて導入、または既に太陽光を設置している住宅への導入に限る。常時太陽光と接続して充放電すること |
| 太陽光の条件 | JET認証等を受けた製品、出力10kW未満、発電した電力が住宅で消費されていること |
| 会員要件 | 太陽光発電設備・蓄電池は「あっ晴れ岡山エコクラブ」への入会が必要 |
| その他 | 市税の完納、申請住所の住宅に居住していること、同一住宅で同種機器は1回限り |
「あっ晴れ岡山エコクラブ」は要注意ポイントです。市の案内では、入会にあたって「他の類似制度やJ-クレジット制度における他のプロジェクトのいずれにも登録していないこと」が要件とされています。0円ソーラーや他のCO2削減プロジェクトへの参加を検討している場合は、どちらを取るかを先に整理しておく必要があります。
予算はまだ残っている(令和8年7月31日時点)
岡山市は申請状況を公開しています。令和8年7月31日時点で補助金執行率22.0%、住宅用の申請機器件数は244件でした(令和8年度補助金申請状況)。予算額は300,000千円(住宅用・事業所用・自動車用の全体事業費)です。
執行率22%なら余裕がありそうに見えますが、申請額が予算額を超過した場合は、受付終了日の申請者を対象とした抽選で補助対象者が決まる仕組みです。年度末に駆け込むほど不確実性が上がるため、工事が終わったら早めに郵送するのが得策です。交付決定・確定通知は不備がなければ4週間程度、振込は請求書提出後1か月程度が目安とされています。
倉敷市「令和8年度 創エネ・脱炭素住宅促進補助金」
県内第2の都市・倉敷市は、金額は岡山市より控えめですが、蓄電池に太陽光の併設要件がない点が特徴です。
| 補助メニュー | 補助額 | 予定件数 | 受付件数(令和8年8月28日15時50分時点) |
|---|---|---|---|
| 定置型リチウムイオン蓄電池 | 1万円/kWh(上限6万円) | 500件 | 188件 |
| 太陽光発電システム | 2万円/kW(上限4kWまで) | 200件 | 25件 |
| 太陽熱利用システム | 市の要綱による | 10件 | 5件 |
| 燃料電池(エネファーム) | 市の要綱による | 20件 | 1件 |
| ZEH | 市の要綱による | 40件 | 40件・受付終了 |
| おひさまエコキュート | 市の要綱による | 30件 | 30件・受付終了 |
出典: 倉敷市 補助金制度について(令和8年度)、定置型リチウムイオン蓄電池、太陽光発電システム
倉敷市で押さえるべき条件は次の3点です。
- 受付期間は令和8年4月1日〜令和9年3月31日、交付申請の先着順。ZEHとおひさまエコキュートはすでに予定件数に達して受付終了しています
- 太陽光は「既築の戸建住宅」限定。住宅の新築工事に関連して設置する場合や、入居日以前に一般送配電会社へ系統連系の接続契約申請をしている場合は対象外です。蓄電池は既築・新築どちらの戸建住宅も対象
- 設置後90日以内の申請(太陽光は電力受給を開始した日から、蓄電池は引渡証明書の設置完了日から)。ここも工事前申請ではなく事後申請です
耐用年数期間内(太陽光17年・蓄電池6年)に使用を中止する場合は市の承認が必要で、補助金の一部を返還することになります。申請は窓口・郵送のほか、岡山県電子申請サービスからの電子申請にも対応しています。
その他の市町村はどう調べるか
岡山県の一覧(令和8年6月1日時点)によると、家庭向け補助金を実施しているのは岡山市・倉敷市のほか、玉野市(脱炭素推進補助金)、笠岡市(スマートエネルギー導入補助金・蓄電池)、井原市、高梁市、新見市、備前市、瀬戸内市、真庭市、美作市、和気町、早島町、矢掛町、新庄村、鏡野町、勝央町、西粟倉村、美咲町などです。
一方で、同じ一覧で津山市・浅口市・奈義町は家庭向け補助金の欄が空欄になっています(令和8年6月1日時点)。総社市は電気自動車等の助成のみで、蓄電池・太陽光は掲載されていません。「県内ならどこでも補助がある」とは限らないということです。
金額・要件・受付状況は自治体ごとに大きく異なり、年度途中で終了することも珍しくありません。「(市町村名) 蓄電池 補助金 令和8年度」で公式サイトを開き、受付期間・予定件数・申請の順番の3点を必ず自分の目で確認してください。制度全体の考え方は蓄電池・太陽光の補助金一覧にまとめています。
国のDR補助金との関係
- 国のDR補助金(令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業・上限60万円/申請)は、2026年3月24日に公募開始、2026年5月29日に交付申請額が予算に到達して公募終了しました(SII公式)。次回は未公表です
- 岡山市の補助対象経費は「補助対象機器本体及び附属機器の購入費並びに設置工事費の合計額から値引き及び国等の類似の補助金の額を控除して得た額」とされています。ただし**太陽光発電設備と蓄電池は「補助対象経費を算定の基礎としません」**と明記されており、補助額は3万円/kW・1.5万円/kWhの単価で決まります(国等の補助金額の控除が効くのは、V2H・HEMS・窓断熱など補助率方式で算定する機器)。併用可否そのものは「各窓口にご確認ください」とされているため、次回の国の公募が出た際は市町村窓口で必ず確認してください(出典: ご案内PDF)
- 岡山県も国による住宅・住宅設備など家庭向け補助金等支援制度のページで国の制度をまとめています
- 次回に備える準備は国のDR補助金は終了、次回はいつ?を参照してください
なお、2026年度の住宅用FIT(10kW未満)の買取価格は1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです(経済産業省 2026年3月19日発表)。売電単価が下がるほど「発電した電気を自家消費に回す」設計の価値が上がるため、太陽光と蓄電池をどう組み合わせるかは補助金額と同じくらい重要です。順番の考え方は太陽光なしで蓄電池だけ導入する場合も参考にしてください。
申請の流れと注意点
岡山市・倉敷市はいずれも工事後に申請する事後申請型です。岡山市は「全ての機器が、導入後の申請です」と案内しており、着工前に交付決定を得ておく必要はありません。ただし事後申請型ならではの落とし穴があります。
- 見積もり段階で機器要件を確認する。岡山市の蓄電池はSII登録製品、太陽光は10kW未満などの条件があります
- 岡山市はあっ晴れ岡山エコクラブへの入会が必要。他の類似制度やJ-クレジットの他プロジェクトに登録していると入会できません
- 申請期限は「工事完了から◯日以内」(倉敷市は90日以内)。工事が終わって安心していると期限切れになります
- 市税の完納証明書が必要。納付直後は証明書発行に領収書の添付が必要になる場合があります(倉敷市)
- 予算・件数の消化状況を確認してから契約する。岡山市は予算到達日で締切、倉敷市は先着で、すでに2メニューが終了しています
- 工事完了 → 申請 → 交付決定・確定 → 請求 → 振込。入金までの目安は補助金はいつ振り込まれる?を参照
「工事後に申請すればいい」と施工会社任せにすると、機器要件や会員要件で落ちたときに取り返しがつきません。契約前に補助金の要件を1枚に書き出して、施工会社と読み合わせるところまでやっておきましょう。
まとめ
- 岡山県は個人へ直接補助していない。県は市町村に補助し、申請窓口は市町村(県公式)
- 岡山市は蓄電池1.5万円/kWh・上限20万円、太陽光3万円/kW・上限15万円。令和9年3月10日まで(予算到達で終了・超過時は抽選)。あっ晴れ岡山エコクラブ入会と太陽光併設が条件
- 倉敷市は蓄電池1万円/kWh・上限6万円、太陽光2万円/kW(4kWまで)。令和9年3月31日まで先着で、8月28日時点の蓄電池は188/500件。ZEHとおひさまエコキュートは受付終了
- 津山市など制度の記載がない自治体もある。市町村公式で受付期間・件数・申請の順番を要確認
- 国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了、次回未公表