【2026年9月1日 更新】国のDR補助金(令和7年度補正)は公募終了しました 2026年3月24日に始まった「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」は、2026年5月29日(金)に交付申請額の合計が予算に達したため公募を終了しました(SII公式サイト)。2026年9月1日時点で公募の再開予定はなく新規申請はできません。次年度の実施・内容も未公表です。この記事では、終了した制度の中身(次回に備える参考)と、いま使える自治体補助金・準備のポイントをまとめています。
家庭用蓄電池の導入を検討するとき、最も気になるのが「国からいくら補助金がもらえるのか」という点ではないでしょうか。国のDR補助金(デマンドレスポンス補助金)は毎年人気が高く、2026年も公募開始から約2ヶ月で予算に達して終了しました。
この記事では、終了した2026年の国の蓄電池補助金の内容と、終了後の今できること(自治体補助金の活用・次回公募への準備)を解説します。
この記事でわかること
- 2026年(令和7年度補正)DR補助金の概要と補助金額(終了済み・次回の参考)
- 対象となる蓄電池の条件と登録製品の調べ方
- 申請の流れと必要書類(次回公募時に必要)
- 「公募開始と同時に申請」するための準備
- 国の補助金が終了した今、使える自治体補助金
2026年(令和7年度補正)DR補助金の概要 ※公募終了
2026年に公募されたDR補助金は、正式名称を令和7年度補正「再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金」(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)のうち「家庭用蓄電システム導入支援事業(DR家庭用蓄電池)」といい、SII(一般社団法人 環境共創イニシアチブ)が執行しています。公募期間は2026年3月24日〜12月10日の予定でしたが、5月29日に交付申請額が予算に達し終了しました。
この補助金の目的は、電力の需給バランスを調整する「デマンドレスポンス(DR)」に対応できる蓄電池を家庭に普及させることです。電力会社からの指令に応じて、蓄電池の充放電を遠隔制御できる仕組みを前提としています。
補助金額の目安
2026年(令和7年度補正)の補助金額は、蓄電池の「初期実効容量」に応じて算定される仕組みでした。
| 項目 | 内容(令和7年度補正・終了済み) |
|---|---|
| 補助単価 | 初期実効容量1kWhあたり3.45万円が基準額。評価加算(+0.2万円・+0.1万円)の要件を満たす製品のみ最大3.75万円 |
| 補助率 | 補助対象経費(設備費+工事費)の3/10以内 |
| 上限額 | 1申請あたり60万円 |
| その他要件 | 目標価格以下であること、セキュリティ要件(制御システムの主要構成製品がJC-STAR★1を取得していること)等 |
補助額は「補助単価×初期実効容量」「補助対象経費の3/10」「60万円」の3つを比較して最も小さい額が採用されます。3.75万円は評価加算の要件を満たす製品に限られ、すべての登録製品が対象になるわけではありません。
出典: SII「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」家庭用蓄電池 公募要領(PDF)、SII公式サイト。次回公募では単価・要件が変わる可能性があります。
例えば、基準額3.45万円で実効容量10kWhの蓄電池なら3.45万円×10kWh=34.5万円。ここに「補助対象経費の3/10」と「60万円」を突き合わせ、最も小さい額が実際の補助額になります。
予算規模と過去の傾向
DR補助金は毎年予算が限られており、予算上限に達した時点で受付が終了します。2026年は公募開始(3月24日)から約2ヶ月(5月29日)で終了しており、年々早まる傾向です。次回も「公募開始と同時に申請」が前提になると考えておきましょう。
| 公募年 | 公募開始 | 終了 |
|---|---|---|
| 2026年(令和7年度補正) | 3月24日 | 5月29日(予算到達で終了) |
| 次回(令和8年度補正等) | 未公表(過去は秋〜冬に事業公表→翌春公募) | — |
対象となる蓄電池の条件
DR補助金を受けるには、以下の条件を満たす蓄電池を設置する必要があります。
基本条件
- SIIの登録製品であること — SIIのWebサイトで公開されている「補助対象機器一覧」に掲載された蓄電池であること
- DR対応であること — HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と連携し、デマンドレスポンスに対応できること
- 目標価格以下であること — 蓄電池の設備費と工事費(据付費)の合計が、SIIが定める目標価格(2025年度目標価格は1kWhあたり12.5万円・税抜)以下であること
- 住宅用であること — 設置場所が既存住宅または新築住宅の戸建て・集合住宅であること
- セキュリティ要件を満たすこと — 制御システムの主要構成製品がJC-STAR★1を取得していること
なお、蓄電池容量の上限・下限を定める規定はありません。「10kWh未満でないと対象外」という説明を見かけることがありますが、令和7年度補正の登録166製品のうち64製品は10kWh以上(最大19.9kWh)で、大容量機も対象でした。
出典: SII「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」家庭用蓄電池 公募要領(PDF)、補助対象製品一覧(CSV)
主な対象メーカーと製品
2026年の登録実績をもとにすると、以下のメーカーの製品が次回も対象となる可能性が高いです(次回公募時にSIIの登録一覧で要確認)。
- パナソニック — 創蓄連携システムS+シリーズ
- シャープ — クラウド蓄電池システム
- ニチコン — トライブリッド蓄電システム
- オムロン — マルチ蓄電プラットフォーム
- 長州産業 — スマートPVマルチシリーズ
- 京セラ — Enerezzaシリーズ
なお、テスラのPowerwallは知名度が高いものの、令和7年度補正の補助対象製品一覧には登録がなく、DR補助金の対象外でした(容量が理由ではなく、製品登録がないためです)。
登録製品の最新一覧は、SIIの公式サイトで確認できます。各メーカーの蓄電池については「蓄電池メーカー比較」の記事で詳しく解説しています。
申請の流れと必要書類
DR補助金の申請は、一般的に以下の流れで進みます。
補助金申請の順序と、越えてはいけない一線
順序そのものより大事なのは「交付決定より前に工事を始めない」ことです。ここを外すと、要件を満たしていても補助を受けられません。
- 対象製品の選定・見積もり取得 登録製品かどうかを確認し、複数社から見積もりを取る あなた+業者
- 交付申請 申請書と添付書類を提出する(業者が代行することが多い) 業者(代行)
- 交付決定の通知分岐点 審査を通ると交付決定通知が届く。工事はここまで待つ 事務局 → あなた 審査 2〜5週間程度(SII公式実績)
- 交付決定より前の着工は、原則そのまま不交付「工事を先に始めてから申請」は、ほとんどの制度で認められません。着工の前倒しがNGという意味で、業者との契約をどこまで先に進めてよいかは制度ごとに違います。申請前に公募要領で必ず確認してください。
- 工事の実施 交付決定を確認してから着工する。施工写真・領収書など報告用の書類をそろえる 業者
- 実績報告 完了後の期限内に報告書を提出する(期限は制度ごとに異なる) 業者(代行)
- 補助金の受領 額の確定後に指定口座へ振り込まれる 事務局 → あなた
ステップ1:見積もりの取得(契約はまだ結ばない)
まず、補助対象製品を取り扱う販売施工業者から見積もりを取得します。この段階で「補助金を利用する」旨を業者に伝えておきましょう。契約はここでは結びません。 公募要領は「交付決定前に需要家-販売事業者間にて、蓄電システムに係る売買契約又は受発注及び支払いを行った場合は、事由によらず補助対象外となる」としており、契約・受発注・支払いはいずれも交付決定を待つ必要があります(補助金申請でよくある失敗)。
ステップ2:補助金の交付申請
SIIの公募期間中に、補助金の交付申請を行います。多くの場合、販売施工業者が代行して申請します。なお一括見積もり窓口によって想定する対象設備や建物区分は異なります。蓄電池中心の窓口の対象条件はエコ×エネの相談窓口の評判と対象条件で確認できます。
主な必要書類:
- 交付申請書(SII所定の様式)
- 設置機器の見積書・カタログ
- 住宅の登記事項証明書または固定資産税の課税明細書
- 設置場所の図面・写真
- 電力会社との電力需給契約の写し
ステップ3:交付決定通知の受領
SIIによる審査後、交付決定通知が届きます。この通知が届く前に工事を開始してはいけません。これは最も多い失敗パターンの一つです。詳しくは「蓄電池補助金申請でよくある失敗5選」の記事もご覧ください。
ステップ4:工事・設置
交付決定後、蓄電池の設置工事を行います。工事完了後、実績報告書をSIIに提出します。
ステップ5:補助金の交付
実績報告書の審査後、指定口座に補助金が振り込まれます。申請から入金まで、通常3〜6ヶ月程度かかります。
次回の見通しと「待つか・いま導入するか」の考え方は国のDR補助金は終了、次回はいつ?で詳しく解説しています。入金までの期間は補助金はいつ振り込まれる?を参照。
次回公募に備える準備(公募開始と同時に申請するために)
DR補助金は先着順で予算が消化され、2026年は約2ヶ月で終了しました。次回公募が公表されたら、公表と同時に動ける状態にしておくことが最大の対策です。
準備のスケジュール例
| 時期 | やるべきこと |
|---|---|
| 今(公募待ち) | 複数業者から見積もりを取得・比較、SII登録機器の候補を決める |
| 事業公表後 | 業者と申請の段取りを確認、必要書類(登記事項証明書等)を準備 |
| 公募開始 | 開始と同時に業者経由で交付申請 |
| 交付決定後 | 工事着工(決定前の着工はNG) |
| 工事完了後 | 実績報告 → 補助金入金 |
自治体の補助金は国と別枠で申請できるものが多いので、国の公募待ちの間に自治体制度の受付状況を確認しておきましょう。
自治体補助金との併用(ダブル申請)
国のDR補助金は、多くの自治体の蓄電池補助金と併用できる設計でした。例えば東京都は令和8年度に「家庭における蓄電池導入促進事業」として**1kWhあたり10万円(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)**の助成を行っています(クール・ネット東京)。国の補助金が終了している2026年9月1日時点では、まず自治体補助金の受付状況を確認するのが現実的です。
ただし、一部の自治体では「国の補助金との併用不可」としているケースもあるため、事前に確認が必要です。併用のコツについては「国と自治体の補助金は併用できる?ダブル申請のコツ」の記事で詳しく解説しています。
よくある質問と注意点
中古品・リースは対象になる?
中古の蓄電池は補助対象外です。リースの場合は、リース事業者が申請する形で対象となるケースがありますが、個人への直接補助とは仕組みが異なります。
太陽光発電がなくても申請できる?
太陽光発電を設置していなくても、蓄電池単体でDR補助金の対象になる制度設計でした(次回公募時に要件を要確認)。ただし、太陽光パネルとセットで導入したほうが経済的なメリットは大きくなります。太陽光発電の補助金については2026年度 太陽光発電の国の補助金まとめの記事をご覧ください。
新築と既築で条件は違う?
基本的な補助金額や条件に大きな違いはありません。ただし、新築の場合はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金など別の制度が使えるケースもあるため、比較検討をおすすめします。
まとめ
2026年の国の蓄電池補助金(令和7年度補正 DR補助金)は、上限60万円の制度でしたが、2026年5月29日に予算到達で公募終了しました。次回の実施は2026年9月1日時点で未公表です(再開予定なし)。
ポイントを整理すると:
- 2026年は3月24日公募開始 → 5月29日終了(約2ヶ月)。次回も早期終了が前提
- 補助はSII登録のDR対応蓄電池が対象。単価は基準額3.45万円/kWh(評価加算を満たす製品のみ最大3.75万円)で、上限60万円・補助対象経費の3/10以内のうち最も小さい額(次回は変更の可能性)
- いま使えるのは自治体補助金(東京都は1kWhあたり10万円・上限120万円など)。受付状況は各公式サイトで確認
- 次回公募に備えて、いまのうちに複数社の見積もりと機器選定を済ませておく
まずは複数社の見積もりを比較して、補助金が公表されたらすぐ動ける状態を作っておきましょう。