【2026年8月19日時点】 群馬県の令和8年度の県補助金2本は、令和8年6月29日〜7月20日で交付申請の受付を終了し、7月31日に抽選結果が公表済みです。いま動かせるのは市町村の制度(前橋市・高崎市・太田市など)と県の共同購入事業(参加登録は12月1日まで)。国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了。出典: 群馬県 グリーンイノベーション推進課。市町村の受付状況は各公式サイトで要確認。
群馬県で蓄電池・太陽光を検討している方向けに、県の2制度の中身(金額・条件・受付結果)、前橋市/高崎市/太田市でいま使える制度、県の共同購入事業、国の補助金の状況を、2026年8月時点の一次情報だけで整理します。
この記事でわかること
- 群馬県の令和8年度 県補助金2本(AとB)の金額・条件・なぜ今は申請できないのか
- 前橋市・高崎市・太田市で2026年8月時点も受付中の制度と金額
- 「FIT売電するか、自家消費に振るか」で使える制度が変わる群馬特有の分岐
- 国のDR補助金(終了)と県補助金の併用可否
- 令和9年度の県補助金を狙う場合のスケジュールの組み方
群馬県の県補助金は「AとB」の2本立て
群馬県は令和8年度、性格の異なる2つの補助金を用意しました。どちらに当たるかは太陽光をこれから入れるのか、すでに載っているのかで決まります。
| 太陽光のみ導入 | 太陽光と蓄電池を同時導入 | 既設太陽光+蓄電池のみ導入 | |
|---|---|---|---|
| 個人 | A | A | B |
出典: 令和8年度の個人住宅・事業者向け再エネ導入支援補助制度について(群馬県)
A. 太陽光発電設備等導入支援事業費補助金(個人)
環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」を使った制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助額(太陽光) | 7万円/世帯(定額。事業者向けの「発電出力×5万円/kW」とは別建て) |
| 補助額(蓄電池) | 補助対象経費の1/3(千円未満は切り捨て) |
| 太陽光の要件 | FIT制度またはFIP制度による売電を行わないこと。発電電力の30%以上を敷地内の住宅で自家消費すること |
| 蓄電池の要件 | 補助対象経費÷蓄電容量が、17.76kWh未満の蓄電池は14.1万円/kWh以下、17.76kWh以上は16.0万円/kWh以下であること。太陽光の電気を蓄える据置型(定置型)であること |
| 予算 | 約1.9億円(うち個人分 約0.6億円・130件程度) |
| 受付・結果 | 令和8年6月29日〜7月20日で受付終了。個人の申請は217件。抽選結果は7月31日公表 |
県が示している算出例がわかりやすいので引用します。
- 蓄電容量7kWh・設備費90万円 → 単価12.8万円/kWh(90万円÷7kWh)なので要件を満たし、補助額は30万円(90万円×1/3)
- 蓄電容量7kWh・設備費100万円 → 単価14.2万円/kWhとなり14.1万円/kWhを超過するため、全額が補助対象外
つまりAは「見積もりが高すぎると1円も出ない」設計です。太陽光の7万円と合わせると、上の1つ目のケースで37万円が県補助の目安になります。
B. 住宅用蓄電池導入支援事業費補助金
内閣府の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を使った、すでに太陽光が載っている住宅に蓄電池を後付けする人向けの制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 県内に太陽光発電設備を設置済みの住宅を有する個人(リース契約の場合はリース事業者と個人の共同申請) |
| 補助額 | 次のいずれか低い額(千円未満切り捨て)。1. 補助対象経費の1/3、2. 蓄電容量×14.1万円/kWh×1/3 |
| 補助対象経費 | 蓄電池本体、蓄電池用パワーコンディショナー、工事費(消費税等を除く) |
| 主な要件 | 太陽光発電設備と接続され発電電力を充放電できること。供給電力を原則としてオンサイトで自家消費すること |
| 予算 | 約1.9億円(400件程度) |
| 受付・結果 | 令和8年6月29日〜7月20日で受付終了。申請は348件。抽選結果は7月31日公表 |
こちらもAと同様に県の算出例があります。蓄電容量7kWh・設備費100万円なら、14.1万円×7kWh×1/3=32.9万円(100万円×1/3より低いほうを採用)。Aと違って単価が上限を超えても全額打ち切りにはならず、上限額までは補助が出る設計です。
「抽選」だったが、実際の倍率感は
AもBも先着順ではなく、書類不備のない申請をすべて抽選対象にする方式でした。想定件数と申請件数を並べると次のとおりです。
- A(個人): 想定130件程度に対し 217件の申請
- B: 想定400件程度に対し 348件の申請
Aは想定を大きく超え、Bは想定件数の範囲内でした。太陽光の新設を伴うAのほうが競争が激しかったと読めます。令和9年度も同じ傾向なら、Aを狙う人ほど早めの準備が要ります。
なお両制度とも、県の交付決定前に施工業者と契約したり工事に着手したりすると補助対象外です。事業の実施期限(設備の導入と支払いの完了)は令和9年1月31日、実績報告の最終期限は令和9年2月10日、補助金の支払いは令和9年3月中旬までとされています。
2026年8月時点で申請できる市町村の制度
県が締め切っても、市町村の制度は年度末まで動いています。主要3市を一次情報で確認しました。
前橋市: 家庭用ゼロカーボン推進補助事業
| 対象機器 | 補助金額 |
|---|---|
| 定置用蓄電池設備(太陽光等の再エネと接続必須) | 蓄電容量1kWあたり1万円(上限5万円) |
| 太陽光発電設備 | 3万円 |
| 太陽光発電連携型給湯機 | 5万円 |
| 家庭用燃料電池コージェネレーション(エネファーム) | 5万円 |
- 受付期間: 令和8年6月1日〜令和9年3月20日(消印有効)。ただし予算額に達した時点で終了
- 申請は設備を設置したあとに提出する事後申請
- 条件: 自ら居住し住民登録がある市内の住宅、市税の滞納がないこと、そして購入・設置工事の相手方が市内業者であること
- 蓄電池は自ら設置する再生可能エネルギー(太陽光等)発電設備と接続して充放電に使用することが要件。太陽光なしで蓄電池だけを設置した場合は対象外で、交付申請時に「再エネ発電設備が設置してあることがわかる書類」(接続契約のご案内等)の提出が必要
- 蓄電池はSII(環境共創イニシアチブ)のZEH補助事業で登録された製品であること
- 太陽光は1kW以上10kW未満で優先的に自家消費すること。FIT制度の適用有無は不問
- 受付状況(令和8年8月1日時点): 累計42件・交付決定額228万円・予算残額552万円
出典: 令和8年度前橋市家庭用ゼロカーボン推進補助事業(前橋市)
蓄電池と太陽光を同時に入れれば、市の補助だけで8万円です。金額は大きくありませんが、市内業者に発注するという条件が実質的な業者選定の制約になる点は先に押さえておきましょう。
高崎市: 住宅用太陽光発電システム導入補助制度
- 補助額: 1kWあたり8千円・上限4万円(5kWで上限に到達)
- 蓄電池およびV2Hの補助金は実施していません(市が明記)
- 申請期間: 令和8年7月1日〜令和9年3月31日。予算額に達した時点で終了
- 系統連系の開始日から3か月以内に申請する事後申請
- 対象は再生可能エネルギー発電事業計画「太陽光発電設備(10kW未満)」の認定を受けたシステム、つまりFIT制度によるもの。電力会社と余剰電力の買取契約を結ぶことが条件
- 郵送申請は予算残額が150万円を下回った日で締め切られ、以降は窓口申請のみ
- 申請状況(令和8年7月31日時点): 28件・予算残額793万円・残申請見込み198件
出典: 令和8年度住宅用太陽光発電システム導入補助制度(高崎市)
太田市: 住宅用再エネ機器導入報奨金
| 対象機器 | 支給額(太田市デジタル金券 OTACO) |
|---|---|
| 太陽光発電システム(2kW以上7kW未満) | 5万円 |
| 太陽光発電システム(7kW以上) | 7万円 |
| 定置用蓄電システム | 5万円 |
- 蓄電池の要件: 常時太陽光と接続して住宅で使えること、SIIのZEH補助事業で蓄電システム製品登録を受けた製品であること、蓄電容量の合計が4kWh以上であること
- 受付期間: 令和8年4月1日〜令和9年3月31日。窓口または専用フォームで申請
- **支給は現金ではなく太田市デジタル金券(OTACO)**である点に注意
その他の市町村
伊勢崎市・桐生市・渋川市・藤岡市などにも独自制度がある場合がありますが、金額・受付状況は年度ごとに変わります。「(市町村名) 太陽光 蓄電池 補助金 令和8年度」で公式ページを直接確認してください。この記事では一次情報で確認できていない自治体の金額は記載していません。
群馬で最初に決めるべきは「売電するか、自家消費に振るか」
群馬の制度を並べると、売電の扱いが制度ごとに真逆であることに気づきます。
- 県のA補助金: FIT/FIPによる売電を行わないことが要件。自家消費30%以上
- 高崎市: FIT認定と余剰電力の買取契約が必須
- 前橋市: FITの適用有無は不問
つまり高崎市にお住まいで県のAも狙う、という組み合わせは太陽光の売電条件が両立しません(蓄電池はそもそも高崎市の対象外)。まず「FIT売電で回収するのか、自家消費と蓄電池で電気代を圧縮するのか」を決めてから、対応する制度に寄せるのが順番です。
判断材料として、2026年度の住宅用FIT(10kW未満)の買取価格は1〜4年目24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWh(資源エネルギー庁 買取価格・期間等)。5年目以降は買電単価を大きく下回るため、長い目では自家消費に寄せる設計が有利になりやすい構図です。太陽光と蓄電池を入れる順番の考え方は蓄電池なしで太陽光だけ設置するのはアリかで整理しています。
国のDR補助金との関係
- 国のDR補助金(令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業・上限60万円/申請)は、2026年3月24日に公募を開始し、2026年5月29日に交付申請額が予算に達して公募終了しました(SII公式)。次回の公募は未公表です
- 県は、県補助金と「国の負担または補助を得て実施する他の補助金」を同一の交付対象設備に併用することはできないとしています。BのQ&Aでは国のDR補助金が、AのQ&Aでは国土交通省のみらいエコ住宅2026事業が、それぞれ併用不可の例として挙げられています
- したがって「国60万円+県30万円+市5万円」といった単純な積み上げは同一設備では成立しません。市町村の制度との併用可否も、申請前に必ず市の窓口で確認してください
次回に備える準備は国のDR補助金は終了、次回はいつ?にまとめています。
補助金以外で初期費用を下げる県の2つの仕組み
県補助が締め切られた今も、群馬県民が使える公的な枠組みは補助金だけではありません。
1. 住宅用太陽光発電設備及び蓄電池の共同購入事業
購入希望者を県が広報して集め、支援事業者(アイチューザー株式会社)が一括発注することでスケールメリットを出す取り組みです。対象は太陽光(10kW未満)、太陽光と蓄電池、蓄電池単品(既に太陽光を設置している人)の3パターン。参加登録期間は令和8年4月30日〜令和8年12月1日、施工は令和9年12月末までです。登録すると入札で選ばれた施工事業者から見積もりが届きますが、見積もりを取る施工事業者を選ぶことはできません。また県は「契約及び施工後に群馬県が公的な補償等を行う事業ではありません」と明記しており、契約は自己判断で行う前提です(群馬県公式)。
2. ぐんま住宅用太陽光発電設備等初期費用0円事業
事業者の負担で太陽光・蓄電池・V2H等を設置し、住宅所有者は電気料金やリース料金を支払う、いわゆるPPA・リース方式です。県が要件を審査した事業プランを登録・公表しています(群馬県公式)。ページの更新日は古いため、検討する際は登録事業プラン一覧の最新状況を確認してください。
令和9年度の県補助金を狙う場合の逆算
令和8年度のスケジュールは、そのまま次年度の目安として使えます。
- 4月中旬: 県が制度ページを公開
- 4月末: 交付要綱の公表
- 6月中旬: 募集要領の公表。ここで単価要件や必要書類が確定
- 6月下旬〜7月中旬: 交付申請受付(約3週間)。1世帯1申請
- 7月下旬: 抽選・当選者の決定
- 交付決定後に契約・着工(決定前の契約・着工は対象外)
- 1月末までに設備の導入と支払いを完了 → 2月上旬までに実績報告 → 3月中旬までに振込
やるべきことは明確です。5月中に複数社から見積もりを取り、蓄電池の単価が14.1万円/kWh(大容量帯は16.0万円/kWh)以下に収まっているかを確認しておくこと。募集要領が出てから見積もりを取り直していては、3週間の受付期間に間に合いません。補助金が実際に入金されるまでの流れは補助金はいつ振り込まれる?を、制度全体の見取り図は蓄電池・太陽光の補助金一覧を参照してください。
まとめ
- 群馬県の令和8年度 県補助金はA(太陽光7万円/世帯+蓄電池は対象経費の1/3)とB(対象経費の1/3、上限は蓄電容量×14.1万円/kWh×1/3)の2本。いずれも6月29日〜7月20日で受付終了、7月31日に抽選結果が公表済み
- 2026年8月時点で申請できるのは市町村の制度。前橋市は蓄電池1kWあたり1万円(上限5万円)と太陽光3万円、高崎市は太陽光1kWあたり8千円(上限4万円、蓄電池は対象外)、太田市は蓄電池5万円と太陽光5万〜7万円をデジタル金券で支給
- 県はFIT売電不可、高崎市はFIT必須と条件が逆。売電か自家消費かを先に決める
- 国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了。県は国費の入った補助金との同一設備での併用を認めていない
- 次年度を狙うなら5月中に見積もりを揃え、蓄電池の単価要件を満たすか確認しておく