2026年8月25日時点で、国の蓄電池向け補助金の本命だった「DR家庭用蓄電池事業」は公募が終わっています。 2026年3月24日に公募が始まり、2026年5月29日に交付申請額の合計が予算に達して終了しました。次回公募は未公表です。
一方で、蓄電池が対象になる国の制度と自治体の助成は別に動いています。この記事では、推測の「見込み時期」を書かず、公式に発表された日付だけでスケジュールを組み立てます。
【2026年8月25日時点】 国のDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・上限60万円/申請)は2026年3月24日公募開始、2026年5月29日に予算到達で公募終了。次回公募は未公表です。出典: SII 令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業
この記事でわかること
- 国のDR家庭用蓄電池事業がいつ始まり、いつ終わったかの事実関係
- 終了後に蓄電池が対象として残っている国の制度とその受付期間
- 東京都の令和8年度助成の受付開始日と金額
- 2026年に公表されている日付だけで作った申請カレンダー
- 予算の残りを自分で確認する方法と、契約・着工の順序
国のDR家庭用蓄電池事業は2026年5月29日に終了した
まず事実関係から整理します。
正式名称は「令和7年度補正 再生可能エネルギー導入拡大・分散型エネルギーリソース導入支援等事業費補助金(DRリソース導入のための家庭用蓄電システム等導入支援事業)家庭用蓄電システム導入支援事業」です。運営はSII(環境共創イニシアチブ)で、補助上限は1申請あたり60万円でした。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年3月24日(火) |
| 公募終了 | 2026年5月29日(金)に交付申請額の合計額が予算に達したことを確認し終了 |
| 補助上限 | 1申請あたり60万円 |
| 次回公募 | 2026年8月25日時点で公表なし |
公募期間は実質2か月あまりでした。同ページでは交付決定情報が2026年8月19日に更新されており、既に申請した人向けの事務は続いていますが、新規の交付申請枠は残っていません。
ここで気をつけたいのが、販売現場のトークです。「国の補助金が使えます」と現在形で説明された場合、それは2026年8月時点では正確ではありません。 その場でSIIの公募ページを開いてもらうのが最も早い確認方法です。終了の経緯と次回の見通しについては国のDR補助金の終了と次回の見通しで詳しく扱っています。
終了後も蓄電池が対象になる国の制度
「国の補助金がゼロになった」わけではありません。窓口が変わっただけです。
住宅省エネ2026キャンペーン(4事業)
国土交通省・経済産業省・環境省が連携する枠組みで、2026年8月25日時点では次の4事業で構成されています。
| 事業名 | 主な対象 | 蓄電池の扱い |
|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 新築・リフォーム | リフォーム枠の工事メニューに蓄電池あり |
| 先進的窓リノベ2026事業 | リフォーム(ガラス交換、内窓設置、外窓交換、ドア交換) | 対象外 |
| 給湯省エネ2026事業 | エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファーム | 対象外 |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 | 賃貸住宅の給湯器 | 対象外 |
出典: 住宅省エネ2026キャンペーン、先進的窓リノベ2026事業、給湯省エネ2026事業
蓄電池は「みらいエコ住宅2026事業」のリフォーム枠にある
みらいエコ住宅2026事業のリフォームでは、補助対象工事が9区分に整理されており、そのうち**「④エコ住宅設備の設置(太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、節湯水栓、蓄電池、第一種換気設備)」に蓄電池が含まれます**。補助額は蓄電池96,000円/戸と公表されています(出典: みらいエコ住宅2026事業 エコ住宅設備の設置)。
ただし、これは断熱改修を軸にした制度です。事務局は「外皮に面する開口部を有する1つの居室において、本事業においてあらかじめ定めた組み合わせで実施される工事」を**「要件化工事」と定義しており、蓄電池だけを見て申請可否を判断することはできません。また太陽光発電設備の設置工事は補助対象外**と明記されています(出典: みらいエコ住宅2026事業 リフォーム)。
リフォーム枠の受付は「申請開始〜遅くとも2026年12月31日まで(予算上限に達した場合は当該時点まで)」とされています。
新築ならZEH支援事業のスケジュールが軸になる
新築でこれから太陽光と蓄電池を載せるなら、SIIのZEH補助事業のカレンダーが基準になります。令和8年度 新築戸建住宅のZEH・ZEH+化等支援事業の公募スケジュールは次のとおりです。
| 一般公募(単年度事業) | 一般公募(複数年度事業) | 複数年度事業の2年目 | |
|---|---|---|---|
| 公募開始 | 2026年5月21日(木)10:00 | 2026年11月6日(金)10:00 | 2026年5月14日(木)10:00 |
| 公募締切 | 2026年12月11日(金)17:00 | 2027年1月8日(金)17:00 | 2026年6月26日(金)17:00 |
| 最終交付決定 | 2026年12月23日(水) | 2027年1月20日(水) | 2026年7月15日(水) |
| 最終事業完了日 | 2027年1月15日(金) | 2027年1月29日(金) | 2026年10月23日(金) |
| 完了実績報告最終提出期限 | 2027年1月22日(金)17:00 | 2027年2月5日(金)17:00 | 2026年10月30日(金)17:00 |
出典: SII 令和8年度 新築戸建住宅のZEH・ZEH+化等支援事業
締切だけでなく「最終事業完了日」と「完了実績報告最終提出期限」まで公表されているのがこの制度の特徴です。工期が押すと補助が受けられなくなるため、契約前に工事日程を逆算しておく必要があります。
東京都の助成は国とは別のカレンダーで動く
自治体の制度は、国の公募状況とは無関係にスケジュールが決まります。東京都の令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業を例にすると、こうなります。
| 項目 | 公表内容 |
|---|---|
| 蓄電池パッケージ | 蓄電容量 10万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸) |
| 蓄電池ユニット増設 | 蓄電容量 6万円/kWh(DR実証に参加しない場合は上限72万円/戸) |
| DR実証参加時の加算 | 1台当たり15万円(エネルギーマネジメント機器及びIoT関連機器を設置する場合)、1台当たり10万円(設置しない場合) |
| 事前申込 | 令和8年5月29日開始 |
| 交付申請兼実績報告 | 令和8年6月30日開始 |
| 設置期間の要件 | 令和8年4月1日から令和11年3月30日までの間に助成対象機器を設置すること |
| 製品要件の切替 | 令和8年10月1日以降に事前申込をする場合はSII登録機器に限る(令和8年4月1日から同年6月30日までに契約締結、または契約・工事完了された事業を除く) |
| DR実証契約の期限 | 蓄電池システムの交付申請兼実績報告前にDR実証契約を締結する必要がある |
DR実証に参加する場合は上記の加算が付きますが、都のページに参加時の上限額は明記されていません。加算を狙うなら、交付申請兼実績報告よりも前にDR実証契約を締結しておく必要がある点がスケジュール上の制約になります。
注目すべきは令和8年10月1日という日付です。この日以降に事前申込をする場合、SIIが令和8年度の登録済製品一覧に登録した機器だけが助成対象になります。SIIの蓄電システム登録済製品一覧では、令和8年度のZEH補助事業で登録・公表された蓄電システムを検索でき、2026年7月31日時点の情報として公開されています(出典: SII 蓄電システム登録済製品一覧)。
つまり、見積書に書かれた型式が令和8年度の登録済製品一覧にあるかどうかが、10月以降は助成の可否を分けます。型式は書面で受け取り、自分で一覧を検索して確認してください。都の制度の詳細は東京都の蓄電池補助金2026にまとめています。
他の自治体についても、受付開始日・締切・事前申込の要否は制度ごとにばらばらです。「4月に一斉スタート」といった一般論はあてになりません。お住まいの自治体の公式ページで、その年度の要領を直接確認するのが唯一の方法です。都道府県ごとの制度は2026年の補助金ガイドから確認できます。
2026年の確定スケジュール(公表済みの日付のみ)
ここまでに確認できた日付を時系列に並べます。すべて公式発表された日付で、見込みは含みません。
| 日付 | 起きたこと・起きること |
|---|---|
| 2026年3月24日 | 国 DR家庭用蓄電池事業 公募開始 |
| 2026年3月31日 | みらいエコ住宅2026 新築 第1期 受付開始 |
| 2026年5月12日 | みらいエコ住宅2026 新築 第1期 受付終了 |
| 2026年5月13日 | みらいエコ住宅2026 新築 第2期 受付開始 |
| 2026年5月14日 | ZEH 複数年度事業の2年目 公募開始 |
| 2026年5月21日 | ZEH 一般公募(単年度事業)公募開始 |
| 2026年5月29日 | 国 DR家庭用蓄電池事業 予算到達で公募終了 / 東京都 事前申込 受付開始 |
| 2026年6月26日 | ZEH 複数年度事業の2年目 公募締切 |
| 2026年6月30日 | 東京都 交付申請兼実績報告 受付開始 |
| 2026年9月30日 | みらいエコ住宅2026 新築 第2期のうち注文住宅(ZEH水準住宅に限る)受付終了 |
| 2026年10月1日 | 東京都 事前申込の対象がSII令和8年度登録機器に限定 |
| 2026年11月6日 | ZEH 一般公募(複数年度事業)公募開始 |
| 2026年12月11日 | ZEH 一般公募(単年度事業)公募締切 |
| 2026年12月23日 | ZEH 一般公募(単年度事業)最終交付決定 |
| 2026年12月31日 | みらいエコ住宅2026 新築第2期・リフォーム 受付終了(遅くとも) |
| 2027年1月8日 | ZEH 一般公募(複数年度事業)公募締切 |
| 2027年1月15日 | ZEH 一般公募(単年度事業)最終事業完了日 |
| 2027年1月22日 | ZEH 一般公募(単年度事業)完了実績報告 最終提出期限 |
出典は各制度の公式ページ(SII DR家庭用蓄電池事業、みらいエコ住宅2026事業、SII ZEH支援事業、東京都)です。
なお、いずれの締切も予算が先に尽きればその時点で終了します。日付は上限であって保証ではありません。
予算の残りは自分で確認できる
「いつ予算が尽きるか」は誰にも予測できませんが、今どれだけ消化されたかは公表されています。
住宅省エネ2026キャンペーンは、事業ごとに交付申請額の割合を公式サイトで公開しています。2026年8月25日時点の数値は次のとおりです。
| 事業 | 申請額の割合 |
|---|---|
| みらいエコ住宅2026(GX志向型) | 51% |
| みらいエコ住宅2026(長期優良・ZEH水準) | 25% |
| みらいエコ住宅2026(リフォーム) | 4% |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 19% |
| 給湯省エネ2026事業 | 39% |
| 賃貸集合給湯省エネ2026事業 | 34% |
出典: 住宅省エネ2026キャンペーン 予算執行状況(2026年8月25日時点)
公式サイトには「各事業の予算ごとに、それぞれ補助金申請額が予算上限(100%)に達し次第、交付申請(予約を含む)の受付を終了します」と明記されています。蓄電池が対象になるリフォーム枠は8月25日時点で4%と、まだ余裕がある水準です。
EVやV2Hを一緒に検討している場合は、次世代自動車振興センターの充電・充てん設備等導入促進補助金も別枠で動いています。2026年8月25日時点では充電設備の第1期・第2期は申請提出期間が終了し、戸建て住宅充電用コンセント・V2H充放電設備・外部給電器は「申請受付期間中」です。同センターは「令和7年度補正 V2H充放電設備・外部給電器 補助金 予算残高について(8月21日公表)」を掲出し、申請前に予算残高の確認を求めています(出典: 次世代自動車振興センター 充電・充てん設備等導入促進補助金)。V2Hの補助金は年度と予算枠で条件が変わるため、最新の応募要領を開いてから動いてください。
契約・着工の順序を間違えない
スケジュール管理でもっとも事故が起きやすいのが、契約と着工のタイミングです。
SIIの蓄電システム登録済製品一覧のページには、「蓄電システムの製品登録日及び補助事業の交付決定通知日より前に契約・工事着工された場合は補助対象外」と明記されています(出典: SII 蓄電システム登録済製品一覧)。先に契約・着工してしまうと、その時点で補助対象から外れる制度があるということです。
一方、東京都の令和8年度事業は事前申込を経て交付申請兼実績報告を行う流れで、令和8年4月1日から令和11年3月30日までの間に助成対象機器を設置することが要件とされています。制度によって前提が違うため、「補助金は後から申請すればいい」「契約は先に済ませて構わない」といった一般論で判断しないでください。申請手続きの実務は補助金の申請方法、国と自治体の組み合わせは補助金の併用で解説しています。
そのうえで、契約前に押さえておきたい点を挙げます。
- どの制度に申請するのかを制度名で確認する(「国の補助金」という説明だけで済ませない)
- 見積書の蓄電池ユニットの型式が、その制度の登録済製品一覧に載っているか自分で検索する
- 交付決定前に着工してよい制度なのか、要領の該当箇所を見せてもらう
- 補助額が見積総額から先に差し引かれているか、後から入金されるかを書面で確認する
- 予算枠が尽きた場合の契約の扱い(解除できるか、費用負担が生じるか)を契約書で確認する
売電単価が下がっている前提で試算する
補助金のスケジュール以上に、導入判断を左右するのが売電単価です。2026年度の住宅用FIT(10kW未満)は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです(出典: 資源エネルギー庁 買取価格・期間等)。
売るより使うほうが有利な場面が増えており、これは蓄電池の投資回収年数に直結します。補助金が取れるかどうかだけで判断せず、この単価を前提にした自家消費の試算とセットで検討してください。
まとめ
- 国のDR家庭用蓄電池事業は2026年3月24日公募開始、2026年5月29日に予算到達で公募終了。次回公募は未公表で、2026年8月25日時点で新規申請はできない
- 国の制度で蓄電池が対象なのは、**みらいエコ住宅2026事業のリフォーム枠(蓄電池96,000円/戸)**と、新築ならZEH支援事業(一般公募は2026年5月21日10:00〜12月11日17:00)
- 東京都の令和8年度事業は**10万円/kWh・上限120万円/戸(DR実証に参加しない場合)**で、事前申込は令和8年5月29日、交付申請兼実績報告は令和8年6月30日に受付開始。令和8年10月1日以降はSII令和8年度登録機器に限定される
- 締切の日付より先に予算が尽きれば終了する。住宅省エネ2026キャンペーンは事業別の申請額割合を公開しているので、動く前に現在値を確認する