【2026年8月19日時点】 宮城県の令和8年度スマエネ補助金は一次募集が受付終了、二次募集は9月28日〜10月9日(事後申請・予算超過時は抽選)。仙台市の既存戸建向けは定額30万円・工事着手前申請・12月15日必着。国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了。出典: 宮城県公式、仙台市公式。市町村の最新状況は各公式サイトで要確認。
宮城県の蓄電池・太陽光補助金は**「県と市で申請するタイミングが真逆」**という、事故りやすい構造をしています。県は工事が終わってから申し込む事後申請、仙台市は工事に着手する前に申請しないと無効。この順番を知らずに動くと、片方を丸ごと取り逃がします。
この記事では、県の補助額と抽選の仕組み、仙台市・石巻市の金額と申請期限、県と市を両取りする順番、国のDR補助金の状況を、2026年8月時点の一次情報だけで整理します。
この記事でわかること
- 宮城県「スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金」(令和8年度)の金額・条件・抽選の仕組み
- 二次募集(9月28日〜10月9日)と三次募集(11月24日〜12月4日)の日程と対象期間
- 仙台市の既存戸建向け定額30万円・新築戸建向け30万〜60万円の中身とFIT売電の条件
- 石巻市など県内市町村の制度
- 県(事後申請)と市(事前申請)を両取りする申請順序と、11月30日という事実上の締切
- 国のDR補助金(終了)との関係
宮城県「令和8年度 スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金」
宮城県の家庭向け制度は県が直接窓口を持たず、一般財団法人宮城県建築住宅センターが申請窓口・審査・支払いを一括して実施します。財源は「みやぎ環境税」です。
| 補助対象設備等 | 補助額 |
|---|---|
| 太陽光発電システム(蓄エネ設備併設タイプ) | 3万円/件 |
| 蓄電池 | 4万円/件 |
| V2H(住宅用外部給電機器) | 4万円/件 |
| 家庭用燃料電池(エネファーム) | 3万円/件(SOFCの場合16万円/件) |
| 地中熱ヒートポンプシステム | 補助対象経費の1/5(上限50万円) |
| 既存住宅省エネルギー改修 | 窓等2千円〜9万円/箇所、外壁等1万4千円〜9万円 |
| みやぎゼロエネルギー住宅 | 25万円/件 |
出典: 宮城県 令和8年度スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金、宮城県建築住宅センター
つまり太陽光と蓄電池を同時に導入した場合の県補助は3万円+4万円=7万円。東京都(蓄電池10万円/kWh・DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸)のような容量比例の大型補助ではなく、件数あたりの定額です。宮城で金額のインパクトを取りにいくなら、主戦場は県ではなく市町村の制度になります。
主な要件
令和8年度の申請の手引きから、迷いやすい条件を抜き出します。
- 太陽光と蓄エネ設備はセット: 太陽光は「蓄電池またはV2Hを既に設置しているか、併せて新たに設置すること」が要件。蓄電池側も太陽光について同じ要件があり、どちらか単体では申し込めません
- 蓄電池はSII登録設備: 国のZEH補助金の対象設備としてSII(環境共創イニシアチブ)に登録されたもの(令和7年度以降の対象設備)に限られます
- 太陽光は10kW未満・系統連系・住宅部分で消費: 太陽電池モジュールの公称最大出力かパワーコンディショナの定格出力のいずれかが10kW未満
- リース・PPAは原則対象外: 手引きに「原則として、設置当初より所有権が申請者に移らないリースやPPA等は対象外です」と明記
- 「みやぎスマエネ倶楽部」への入会申込が必要: 太陽光・蓄電池・V2H・みやぎゼロエネ住宅を申請する場合(一部例外あり)
- 申請者本人が所有し、居住していること: 賃貸住宅やセカンドハウスは対象外
- 他の補助金との併用: 国や市町村の補助事業との併用申込が可能。ただし全補助金の合計が消費税抜きの実費を上回ることは認められません
「事後申請」と「抽選」がこの制度の肝
この制度でいちばん誤解されやすいのがここです。工事前に申請するのではなく、設備を導入し終えてから申し込みます。
各設備には「対象基準日」が設定されていて、太陽光は電力受給開始日、蓄電池・V2H・エネファームは引渡日、省エネ改修と地中熱は工事完了日を指します。この基準日が属する募集区分に申し込みます。
| 募集区分 | 受付期間 | 対象基準日 | 予算額 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 一次募集 | 令和8年5月25日〜6月5日 | 令和7年12月1日〜令和8年5月31日 | 137,492,000円 | 受付終了(総申込額120,107,000円) |
| 二次募集 | 令和8年9月28日〜10月9日 | 令和8年6月1日〜9月30日 | 136,458,000円 | 受付開始前 |
| 三次募集 | 令和8年11月24日〜12月4日 | 令和8年10月1日〜11月30日 | 73,050,000円 | 受付開始前 |
出典: 宮城県建築住宅センター スマートエネルギー住宅普及促進事業補助金
そして先着順ではなく抽選です。募集区分ごとに総申込額が予算額を上回った場合、抽選で審査対象者を決定し、当選者にだけ「審査対象通知書」が郵送されます。この通知を受け取った人だけが交付申請に進めます。
一次募集は受付済総申込額120,107,000円に対して予算額137,492,000円と枠内に収まっており、要領上は抽選が行われない水準でした。ただし二次・三次で同じ結果になる保証はありません。なお、申込額が予算を下回った募集区分の残予算は三次募集終了後にプールされ、繰り上げに使われます。
そしてもう一つ重要なのが、令和8年度は三次募集が最終で、対象基準日の範囲が令和8年11月30日で締まる点です。引渡日や電力受給開始日が令和8年12月1日以降になると、令和8年度のどの募集区分にも申し込めません。令和9年度に同様の制度が続けば翌年度の募集で拾える可能性はありますが、2026年8月時点で令和9年度の実施内容は公表されていません。
申込は所定の申込書(様式第1号)をメールまたは郵送で提出し、受付期間最終日の17時までに到達しないと受付になりません。到着遅れは理由を問わず不受理です。
仙台市の補助金は金額が大きい
宮城県内で金額を取りにいくなら、仙台市の「太陽光発電等導入補助金」が本命です。県の制度とは別物で、条件も申請タイミングも違います。
既存戸建住宅向け: 定額30万円
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助額 | 定額30万円(太陽光発電設備と蓄電池を同時導入) |
| 予算額 | 30,900,000円(先着順で審査、予算がなくなり次第終了) |
| 対象者 | 新品の太陽光発電システム(出力1kW以上)と蓄電池を市内の既存戸建住宅に同時設置する方。住宅の所有者本人(配偶者・一親等の親族も可)で常時居住し、市税の滞納がないこと |
| 対象住宅 | 令和8年4月1日以降に設置工事の契約を締結し、設置工事に着手していないこと。現行の耐震基準(2000年基準)で建築された住宅、または重量増を考慮した構造安全性を有すること。発電量の30%以上を自家消費すること |
| 蓄電池の要件 | 令和7年度または令和8年度のSII登録蓄電池、容量20kWh未満。価格は12.5万円/kWh(工事費込み・税抜)以下に努める(困難なら理由書を添えて15.5万円/kWh以下) |
| 太陽光の要件 | 設備費と設置工事費の合計が35万円/kW未満(困難な場合は理由書) |
| 売電 | FIT(固定価格買取制度)による売電はできません |
| 申請期間 | 令和8年5月1日〜12月15日(必着)、工事着手前に申請(契約前でも申請可) |
| 実績報告期限 | 令和9年1月29日(必着)。それまでに設置工事完了が必要 |
| 国補助との併用 | 不可(手引きに「財源が国費の補助金(DR補助金)との併用はできません」と明記) |
予算30,900,000円を定額30万円で単純に割ると約100件分しかありません。先着順で審査されるため、枠は早く埋まる可能性があります。リースやPPAでの導入も対象ですが、その場合の補助金は太陽光事業者に支払われ、サービス利用料からの差し引きなどで利用者に還元されます。
新築戸建住宅向け: 30万〜60万円
新築でZEHまたはZEH水準(UA値0.6以下、BEI0.8以下)を満たす住宅は別枠になります。
| 断熱性能 | 太陽光出力 | 太陽光のみ | 太陽光+蓄電池 | FIT売電 |
|---|---|---|---|---|
| ZEH水準 | 2kW以上4kW未満 | 定額30万円 | 定額40万円 | 売電不可 |
| ZEH水準 | 4kW以上 | 定額50万円 | 定額60万円 | 売電不可 |
| 『ZEH』 | 4kW以上 | 定額50万円 | 定額60万円 | 売電可能 |
予算額は122,400,000円で、こちらも先着順。交付申請期間は第1期が令和8年5月1日〜12月15日(必着)、第2期が令和8年12月16日〜令和9年1月29日(必着)。交付決定通知を受ける前に引渡しを受けると補助を受けられません。国費を財源とする補助金(みらいエコ住宅支援事業、国のZEH補助金など)との併用は不可です。
注目すべきは最下段で、『ZEH』水準まで断熱性能を上げると、60万円をもらいながらFIT売電も継続できる点です。ZEH水準どまりだと売電を諦めることになるため、新築では断熱仕様の詰め方が補助金の実質価値を左右します。
V2Hを入れる場合
仙台市には「家庭向けV2H充放電設備設置費補助金」もあります。補助対象経費(購入費と設置工事費、いずれも税抜)の1/3で上限20万円。太陽光発電設備との連携、リース品でないこと、次世代自動車振興センターの登録製品であることが条件です。申請期間は令和8年5月1日〜12月15日で、こちらも工事着手前の申請が必須。予算額は2,400,000円と小さく先着順です(出典: 仙台市 家庭向けV2H充放電設備設置費補助金)。
「30万円」とFIT売電、どちらを取るか
仙台市の既存戸建向け30万円には、FITでの売電を諦めるという対価があります。金額だけ見て飛びつくと後悔しかねないポイントです。
2026年度の住宅用FIT(10kW未満)の買取価格は1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWh(資源エネルギー庁 買取価格・期間等)。FITの価値は最初の4年間に集中しており、5年目以降は8.3円/kWhまで落ちます。一方で仙台市の補助は初期に定額30万円が入る形です。
どちらが有利かは屋根の発電量と自家消費率で変わります。施工会社に「FITありのケース」「補助金を取ってFITなしのケース」の両方で収支シミュレーションを出させて比べるのが確実です。
なお、太陽光と蓄電池をどの順番で入れるべきかは太陽光だけ先に入れて蓄電池は後からでもいい?で整理しています。宮城県も仙台市も「太陽光と蓄電池のセット」を要件にしているため、別々のタイミングで入れると補助の取り方が変わる点は事前に確認してください。
県内その他の市町村
石巻市
「令和8年度太陽光発電等普及促進事業補助金」を実施しています(みやぎ環境税を活用)。
- 太陽光発電システム: 公称最大出力1kWあたり2万円(個人は上限8万円、事業者20万円)
- 蓄電システム: 蓄電容量1kWhあたり2万円(個人は上限8万円、事業者20万円)
- HEMS: 設置にかかった費用(上限2万円)
- 申請受付期間: 令和8年4月1日〜令和9年3月12日(必着)。予算額に達し次第終了
- 申請タイミング: 事後申請(令和7年4月1日以降に設置完了、太陽光は電力受給開始)
- 対象者: 市内に住所がある個人または事業所がある法人で、全ての市税に滞納がないこと
太陽光4kW+蓄電池4kWhなら8万円+8万円で市の補助は16万円。県の7万円と合わせれば23万円になる計算です(併用可否は両窓口で確認してください)。
その他の市町村
宮城県は「再生可能エネルギー設備等導入に係る市町村補助金一覧」を公開していますが、2026年8月19日時点で掲載されているのは令和7年度版です。令和8年度の有無・金額は各市町村の公式サイトで直接確認してください(宮城県 市町村補助金一覧)。
共同購入という選択肢
宮城県と仙台市はアイチューザー株式会社と協定を結び、「みんなのおうちに太陽光」という家庭用太陽光・蓄電池の共同購入事業を実施しています。まとめて発注することで市場価格より安く導入する仕組みで、県内在住者なら参加登録が可能です。受付状況はキャンペーンページで確認してください(宮城県 家庭用太陽光発電設備等共同購入事業)。
国のDR補助金との関係
- 国のDR補助金(令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業・上限60万円/申請)は2026年5月29日に交付申請額が予算に到達し公募終了(SII公式)。次回は未公表です
- 仙台市の既存戸建向け補助金は手引きでDR補助金との併用不可と明記。仮に次回の国の公募が始まっても仙台市の30万円とは二者択一になる可能性が高く、金額とスケジュールを比較して選ぶことになります
- 宮城県のスマエネ補助金は国・市町村の補助事業との併用申込が可能とされています(合計が税抜き実費を超えない範囲)
- 次回の国の公募に備える準備は国のDR補助金は終了、次回はいつ?を参照してください
県と市を両取りするための申請順序
宮城県(事後申請)と仙台市(事前申請)は締切の向きが逆です。しかも、仙台市の期限どおりに動くと県が丸ごと取れなくなるという落とし穴があります。
先に知るべき「11月30日の壁」
県の令和8年度は、対象基準日が令和8年11月30日までしかありません(三次募集が最終区分)。一方で仙台市の既存戸建向けは「令和8年12月15日申請・令和9年1月29日工事完了」。市の期限に合わせて年末〜年明けに引渡し・電力受給開始となると、県の令和8年度補助はどの募集区分にも該当せず、市の30万円しか取れません。
県も取るなら、蓄電池の引渡日・太陽光の電力受給開始日を令和8年11月30日までに終える計画にします。市の交付決定に最大30日、そこから契約・工事という順序を逆算すると、市への申請は遅くとも9月頃までに出しておきたいところです。令和9年度に同様の制度が続けば翌年度の募集で拾える可能性はありますが、2026年8月時点で令和9年度の実施内容は公表されていないため、当てにはできません。
両取りの順番
- 見積もり・機器選定: 複数社から太陽光+蓄電池セットの見積もりを取り、蓄電池がSII登録設備(令和7年度または令和8年度)で20kWh未満か、太陽光が35万円/kW未満・蓄電池が12.5万円/kWh以下に収まるかを確認
- 仙台市に交付申請(工事着手前): 受付は令和8年12月15日必着ですが、県も狙うなら9月頃までに提出。契約前でも申請可。予算は約100件分なので早いほうが安全
- 市の交付決定を待つ: 不備がなければ到達から30日以内に交付決定通知が届きます。決定前に着工すると無効
- 契約・工事・引渡し: 決定通知を受けてから着工。県も取るなら引渡日・電力受給開始日を令和8年11月30日までに収める
- 仙台市に実績報告: 令和9年1月29日必着。工事完了もこの日まで
- 宮城県(建築住宅センター)に申込: 基準日が令和8年6月1日〜9月30日なら二次募集(9月28日〜10月9日)、令和8年10月1日〜11月30日なら三次募集(11月24日〜12月4日)へ。県の申込期限が市の実績報告より先に来るケースもあるので、両者は並行管理してください。「みやぎスマエネ倶楽部」への入会申込も済ませておく
- 抽選・審査対象通知 → 交付申請 → 交付決定兼額確定 → 振込
逆算がシビアなのは、市の交付決定に最大30日かかることと、県の対象基準日が令和8年11月30日で締まることの2点です。入金までの流れは補助金はいつ振り込まれる?、全国の制度は蓄電池・太陽光の補助金一覧にまとめています。
まとめ
- 宮城県のスマエネ補助金は蓄電池4万円/件+太陽光3万円/件=合計7万円。設備導入後に申し込む事後申請で、予算超過時は抽選。二次募集は9月28日〜10月9日、三次募集は11月24日〜12月4日
- 県はリース・PPA原則対象外、蓄電池はSII登録設備、太陽光と蓄エネ設備のセットが必須。「みやぎスマエネ倶楽部」への入会申込も必要
- 仙台市の既存戸建向けは定額30万円だが、工事着手前申請(12月15日必着)・FIT売電不可・DR補助金と併用不可。予算は約100件分で先着順
- 仙台市の新築戸建向けは30万〜60万円。『ZEH』水準ならFIT売電を続けたまま60万円
- 県と市の両取りは令和8年11月30日が事実上の締切。県の令和8年度は対象基準日が令和8年11月30日までのため、市の期限(12月15日申請・1月29日工事完了)ギリギリで動くと県は取れない。市への申請は9月頃までに
- 石巻市は太陽光2万円/kW・蓄電池2万円/kWh(個人は各上限8万円、令和9年3月12日まで)
- 国のDR補助金は2026年5月29日に公募終了、次回未公表
- 金額・条件は変更されることがあります。申請前に各公式サイトと最新の手引きで確認してください