オール電化住宅の停電は「全部止まる」わけではありません。 IHクッキングヒーター・エアコン・照明・冷蔵庫は止まりますが、エコキュートは貯湯タンクに熱が残っていれば蛇口やシャワーからお湯が出る機種があります。まずここを正しく知るだけで、備えの優先順位が変わります。
そのうえで、停電対策として蓄電池を検討するときの判断軸は容量(kWh)ではなく自立運転時の出力(kW・kVA)と、全負荷か特定負荷かです。この記事では、メーカー公式仕様と公的機関の資料に書かれている数字だけを並べます。
【2026年8月25日時点】 国のDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・上限60万円/申請)は2026年3月24日に公募が始まり、2026年5月29日に予算到達で公募終了しています。次回公募は未公表のため、国の補助金を前提にした停電対策の資金計画は現時点では立てられません。出典: SII 令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業
この記事でわかること
- 停電時に止まる設備と、条件付きで使える設備の切り分け
- 過去の大規模停電が実際に何時間続いたか(公的資料の実績値)
- 蓄電池の自立運転出力と全負荷/特定負荷をメーカー公式仕様で比較
- 太陽光単独の自立運転コンセントがAC100V・1,500W級で頭打ちになる理由
- 蓄電池を入れない場合の、エコキュートのタンク水・備蓄・通電火災対策
停電時、オール電化の家で止まるもの・条件付きで使えるもの
「オール電化は停電したら何もできない」という説明は、少なくとも給湯については正確ではありません。
| 設備 | 停電時の状態 |
|---|---|
| IHクッキングヒーター | 使えない |
| エアコン・電気式床暖房 | 使えない |
| 照明・冷蔵庫・テレビ・Wi-Fi | 使えない |
| エコキュートの沸き上げ・自動湯はり | できない |
| エコキュートの給湯(蛇口・シャワー) | 機種により使える場合がある |
| 貯湯タンクの水(非常用取水栓) | 生活用水として取り出せる |
コロナは自社FAQで「2008年4月以降に発売されたモデルは、貯湯ユニットにお湯(熱量)が残っていれば、シャワーや蛇口(混合水栓)からお湯を使用することができます」とし、おふろのお湯はりはできないと案内しています。さらにリモコンのタイプ別に、タイプA・0・1・2は「給湯可能です。(おふろのお湯はりはできません)」、タイプ3・4は「給湯できません。」と明記しています(出典: コロナ よくあるご質問「停電中に、お湯を使用することはできますか?」、同「停電中にお湯が使える機種・使えない機種について」)。
パナソニックも停電時にシャワーや蛇口からお湯が使えるとしたうえで、湯温調節ができず高温のお湯や水が出る場合があること、集合住宅でポンプ給水の場合はお湯が出ないことを注意点に挙げています(出典: パナソニック エコキュート もしもの備え(停電・断水・気象警報等))。
つまりご自宅のエコキュートが停電中に給湯できる機種かどうかは、停電が起きる前に取扱説明書で確認しておくべき項目です。エコキュートそのものの選び方はエコキュートの選び方ガイドにまとめています。
復旧したあとの手順も決めておく
コロナは、リモコンのタイプ2では10時間以上、タイプ3・4では4時間以上の停電で時計の表示が「-:-」の点滅になった場合に時計合わせが必要だとしています。時刻設定が狂うと深夜電力での沸き上げがずれるため、復電後はリモコンの時刻表示と沸き上げ設定を確認しましょう。
過去の大規模停電はどれだけ続いたか
備える日数を決めるには、実際に起きた停電の長さを見るのが早道です。
2018年 北海道胆振東部地震(ブラックアウト) 電力広域的運営推進機関の検証委員会最終報告によれば、9月6日午前3時7分の地震発生後、同日午前3時25分に大規模停電が発生し、「ブラックアウトから概ね全域に供給できるまで45時間程度を要した」と記載されています(出典: 電力広域的運営推進機関 平成30年北海道胆振東部地震に伴う大規模停電に関する検証委員会 最終報告)。
2019年 台風15号(令和元年房総半島台風) 資源エネルギー庁は「停電被害は最大約93万戸」で、「おおむね停電の復旧(停電件数がピーク時と比較して99%解消)にかかった時間は約280時間」だったと説明しています。長期化の原因としては、暴風による倒木や飛来物で破損・倒壊した電柱が1,996本にのぼったこと、倒木で立ち入りが困難な地域の被害確認に時間がかかったことを挙げています(出典: 資源エネルギー庁「台風」と「電力」〜長期停電から考える電力のレジリエンス)。
45時間と280時間では、必要な備えの規模がまったく違います。首相官邸は備蓄の例として飲料水「3日分(1人1日3リットルが目安)」、非常食「3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、缶詰、干物、乾パンなど」を挙げつつ、大規模災害時は1週間分が望ましいとしています(出典: 首相官邸 災害が起きる前にできること)。オール電化住宅は熱源まで電気に依存するぶん、この目安の上限側で考えるのが安全側です。
蓄電池は停電時にどこまで使えるのか
カタログで最初に目に入るのは容量(kWh)ですが、停電時に「何が同時に動くか」を決めるのは自立運転時の出力です。2026年8月時点の公式仕様を並べます。
| メーカー・製品 | 自立運転時(停電時)の出力 |
|---|---|
| オムロン KPBP-Aシリーズ | 単機能・ハイブリッドとも定格出力2.0kVA。ハイブリッドはトランスユニット接続時4.0kVA |
| ニチコン ESS-U5シリーズ | 自立出力の定格は4.0kVA(ESS-U5M1・7.7kWh接続時)と5.9kVA(ESS-U5L1・9.7kWh接続時)。製品ページの特長欄の表記は「高出力5.9kW(タイプL接続時)」 |
| 京セラ Enerezza PlusⅡ | パワコン自立運転時6,000VA。蓄電池5.7kWhは3,000W、11.4kWh/17.1kWhは4,500W |
| テスラ Powerwall 3 | 自立運転時最大9.69kW、負荷起動能力185 LRA、停電時の切り替えは数秒 |
出典: オムロン マルチ蓄電プラットフォームKPBP-Aシリーズ 仕様、ニチコン 単機能蓄電システム、京セラ Enerezza PlusⅡ、テスラ Powerwallの仕組み
テスラ Powerwall 3は2026年8月3日に日本で発売され、蓄電容量13.5kWh、保証10年です。本体価格は非公表で、販売店の見積もりで確認する前提になります。
各社の自立出力を、停電中に動かしたい家電の消費電力と同じ横軸に並べると次のようになります。
停電中に「同時に」使える電力の物差し
停電で何が動くかを決めるのは容量kWhではなく、自立運転時の出力です。全負荷型でも、この上限を超えると運転は止まります。
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太陽光用パワーコンディショナ単体シャープの例
自立運転時 1.5kVA。蓄電池が無ければ日射のある昼間だけ(同社はハイブリッド2.0kVA・蓄電池連携型5.5kVAも用意)
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オムロン KPBP-Aシリーズ夜間は下がる
2.0kVA、ハイブリッドにトランスユニットを接続すると 4.0kVA。ただし公式注記は「夜間及び天候によりPV側の発電量が十分でない場合、最大2.5kVAになります」
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ニチコン ESS-U4X1 / U4M1片相1.5kVA
公称は「片相 1.5kVA ±5% 合計 3.0kVA ±5%」。100V負荷が片側に偏ると、合計に届く前に頭打ちになります
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京セラ Enerezza PlusⅡ容量で変わる
蓄電池5.7kWhで 3,000W、11.4kWh・17.1kWhで 4,500W(パワコンの自立定格は6,000VA)
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ニチコン ESS-U5M17.7kWh
自立出力 4.0kVA。同じESS-U5シリーズでも下の行のL1とは別の値です
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パナソニック 創蓄連携システムT片相2.75kVA
停電時に同時に使える電力は合計 5.5kVA(片相2.75kVA)まで。超えると運転を停止すると公式が明記
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ニチコン ESS-U5L1 / トライブリッド全負荷200V標準
ESS-U5L1が自立出力 5.9kVA、トライブリッド蓄電システム(ES-T5/T6)も 5.9kVA
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ニチコン V2H VSG3シリーズEVから家へ
自立出力 6kVA。公式は「自立出力も6kVAとパワフルで、200VのエアコンやIH調理器も使用できます」と記載
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テスラ Powerwall 3
自立運転時 9.69kW。IHの5.8kWを単独で上回るのは、この行とその上の2行だけです
横軸: 同時に使える電力(kW / kVA)
- 5.8 = ビルトインIHの総消費電力。設置時・節電モードで4.8kW・4.0kWへ落とせます
- 1.85 = エアコン暖房の消費電力(20畳クラス・外気7℃時の登録機種平均)。低外気温時と起動時はこれより大きくなります
- 斜線 = 同じ製品の中で構成や容量により上限が変わる部分(オムロンはトランスユニットの有無、京セラは蓄電池ユニットの台数)
この図の読み方:全負荷型かどうかは「どの回路に電気が届くか」の話で、この図は「同時に何Wまで使えるか」の話です。2つは別の条件で、両方を満たさないと停電中にIHは動きません。
合計値だけで判断しないでください。 ニチコンESS-U4は片相1.5kVA、パナソニック創蓄連携システムTは片相2.75kVAという片側ごとの上限があり、100V負荷が片方に偏ると合計に届く前に頭打ちになります。ニチコンは3kVAの上限について「(家電製品起動時の電力を含む)」とも注記しています。
型番の差と、追加部品による差は別ものです。 ESS-U5M1の4.0kVAとESS-U5L1の5.9kVAは別製品で、後から何かを足して増えるものではありません。斜線の帯は同じ製品の中で構成により変わる範囲だけを示しています。
kVAとkWは厳密には別の単位です。 kVAは皮相電力、kWは有効電力で、力率が1に近いIHやヒーターではほぼ同じ大きさとして読めますが、同一視はできません。5.9kVAと5.8kWのように差が0.1しかない組み合わせは、この図では優劣を判断できません。各社が公表している単位のまま並べています。
停電中は火力を絞る、同時使用を避けるといった運用が前提になります。ご自宅の候補機種の仕様書で、自立出力の定格と片相あたりの上限を確認してください。
全負荷か特定負荷かで、停電中の生活が変わる
停電時に家じゅうのコンセントが生きるか、あらかじめ決めた回路だけが生きるかは、組み合わせる分電盤で決まります。オムロンのKPBP-Aシリーズでは、特定負荷用がKP-DB20B-2(定格電流 合計20A、出力分岐数2回路)、全負荷用がKP-DB75B(定格電流 合計75A、単相3線式)と型式そのものが分かれています。ニチコンの単機能蓄電システムでも、ESS-U5シリーズなどは全負荷接続と特定負荷接続を選べる仕様です。
200VのIHやエコキュートを停電中に動かしたいなら、単相3線式の出力が要ります。オムロンのマルチ蓄電パワーコンディショナは交流出力が「定格電圧 AC202V(AC101V、2相)」で、トランスユニット接続時に単相3線式 AC202V/101V となります。「全負荷型だから何でも使える」ではなく、全負荷用分電盤・単相3線式出力・自立運転出力の上限の3点セットで読むのが正確です。この違いは全負荷型と特定負荷型の違いで詳しく整理しています。
実際にどの家電が生き残るかは、回路単位の図で見るとより具体的につかめます。
停電したとき、どの回路が生きるか
全負荷型は家じゅう、特定負荷型はあらかじめ決めた回路だけに電気が届きます。停電していないときの使い方は両者で変わりません。
全負荷型分電盤ごと切り替える
分電盤 + 切替機器
- エアコン200V 給電
- IH調理器200V 給電
- 冷蔵庫 給電
- リビングの照明 給電
- 選んだコンセント 給電
- その他の部屋・コンセント 給電
向いているのは 停電時も200Vのエアコン・IHを使いたい/在宅時間が長い/医療機器や介護がある家庭
特定負荷型選んだ回路だけをつなぐ
分電盤 (重要負荷分電盤)
- エアコン200V 機種次第
- IH調理器200V 機種次第
- 冷蔵庫 給電
- リビングの照明 給電
- 選んだコンセント 給電
- その他の部屋・コンセント 停止
向いているのは 冷蔵庫・照明・通信が生きれば十分/費用を抑えたい/長時間もたせたい家庭
△ 機種次第とした行の意味: 停電時に200V機器が動くかは「蓄電池の自立運転が単相3線(100V/200V)対応か」と「その回路をバックアップ対象に含めたか」で決まります。負荷タイプの名前だけでは判断できません。また全負荷型でも同時に使える合計出力には上限があります(値は機種による)。
「何時間もつか」は前提を書かないと意味がない
容量kWhを消費電力kWで割れば時間は出ますが、その値は家電の構成や外気温、残量制御で大きく変わります。京セラは「停電中に蓄電池の電力を使用して一定の蓄電池残量まで減ると、蓄電池の電力供給が停止します」と注記しており、カタログの容量をそのまま使い切れるわけではありません。「◯時間使えます」という口頭の説明ではなく、どの回路を、合計何Wまで、どの容量で賄う前提の計算かを書面で出してもらいましょう。切り替わり方や持続時間の考え方は蓄電池の停電体験は実際どうなる?で解説しています。
太陽光だけで停電をしのげるか
太陽光発電を載せていれば、パワーコンディショナの自立運転機能で日中の電気は使えます。ただし出力には上限があります。
カナディアン・ソーラーは自立運転機能について「AC100Vで最大1,500Wまで利用することができます」と明記しています(出典: カナディアン・ソーラー 停電時の電気の使用方法)。シャープは機種ごとに自立運転時の定格出力を公表しており、太陽光用およびハイブリッド機種で1.5kVA、上位のハイブリッド機種で2.0kVA、蓄電池連携機種(JH-55KF4B)で5.5kVAとしています(出典: シャープ 自立運転モードへの切り替え方法)。
制約はワット数だけではありません。シャープは自立運転時に接続してはいけない機器として「人命に直接かかわる医療機器」「灯油やガスを用いた暖房機器」を挙げ、掃除機・冷蔵庫・エアコンなど起動電流の大きい機器は正常に動かない場合があるとしています。そして蓄電池のない太陽光単独システムでは「自立運転時に電力を使用できるのは、太陽電池が発電している昼間だけです」と明記しています。太陽光は昼の電源、蓄電池は夜と悪天候の電源という役割分担で考えるのが実態に近い理解です。オール電化住宅での蓄電池の要否はオール電化住宅に蓄電池は必要?も参考にしてください。
蓄電池を入れない場合の現実的な備え
導入判断を先送りする場合でも、次の4つはすぐに準備できます。
1. 貯湯タンクの水を生活用水として使う
パナソニックは、貯湯タンク下部の「非常用取水栓」にホースを接続することで、タンク内の湯水を生活用水として利用できると案内しています。ただし**「飲用はおさけください。」と明記**されており、「非常用取水栓を使用する際、熱湯・水になる場合があるので注意してご使用ください」とも記されています。さらに「非常用取水栓からのみではすべてのお湯(水)を取水することはできず、タンク容量よりも実際に取り出せる量は少なくなります」としており、タンク容量をそのまま使える水量と考えないことが大切です(出典: パナソニック エコキュート もしもの備え)。
コロナも「貯湯ユニットのお湯を非常用取水栓より取り出して使用することができます」としたうえで、「高温湯になっている可能性がありますので、やけどにご注意ください」と案内しています(出典: コロナ よくあるご質問)。貯湯タンクの容量はラインアップで300L・370L・460Lなどがあり、ご自宅の容量は本体の銘板か取扱説明書で確認できます。
2. カセットこんろは「使い方」まで含めて備える
IHが止まっても、カセットこんろがあれば加熱調理ができます。ただし日本ガス石油機器工業会は、使用するカセットこんろの専用カセットボンベ以外は使わないこと、こんろを2台以上並べて使わないこと(熱がこもってカセットボンベが過熱・爆発することがある)、こんろをおおうような大きな調理器具や、陶板プレートなど蓄熱性のあるものを使わないこと、カセットボンベを40度以上になる車内など高温になる場所に置かないことを挙げ、こんろ・ボンベの経年劣化にも注意を促しています(出典: 日本ガス石油機器工業会 カセットこんろ・カセットボンベの安全な使い方)。備蓄本数は調理内容で変わるため、何食分を作るつもりかで逆算してください。
3. ポータブル電源は用途を割り切る
据置型の蓄電池に比べて導入しやすい一方、容量も出力も小さく、200V機器は動かせません。スマートフォンの充電、LED照明、小型家電に割り切るなら選択肢になります。比べるときは定格出力(W)と定格容量(Wh)の両方を公式スペックで確認してください。
4. 復電時の火災(通電火災)に備える
見落とされがちなのが、停電が復旧した瞬間のリスクです。内閣府は、東日本大震災における本震による火災のうち「原因が特定されたものの過半数が電気関係の出火」だったとし、感震ブレーカーを「地震時に設定以上の揺れを感知した時に電気を自動的に止める器具です」と説明しています。設置する場合は停電時に作動する足元灯や懐中電灯を常備すること、復電時にはガス漏れや電気製品の安全を確認することも注意点に挙げられています(出典: 内閣府 大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会)。避難で家を空けるときはブレーカーを落とす、という手順を家族で決めておくだけでもリスクは下げられます。
2026年8月時点のお金と契約まわり
補助金は国と自治体で状況が違う
冒頭のとおり、国のDR家庭用蓄電池事業は2026年5月29日に予算到達で公募終了しており、2026年9月時点で新規申請はできません。「国の補助金が出るうちに」という説明を受けたら、その場で公募状況を確認してください。経緯と代替策は国のDR補助金の終了と次回の見通しにまとめています。
一方で自治体の制度は動いています。東京都の令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業は10万円/kWhで、DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸、DR参加なら加算があります。2026年10月1日以降はSII令和8年度登録品のみが対象になります(出典: 東京都 家庭における蓄電池導入促進事業)。
売電単価と自家消費のバランス
2026年度の住宅用FIT(10kW未満)は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです(出典: 資源エネルギー庁 買取価格・期間等)。売電よりも自家消費に振ったほうが有利になる場面が増えており、停電対策としての価値と日常の経済性は、この単価を前提に一緒に評価するのが筋です。
「停電が不安でしょう」という営業への向き合い方
国民生活センターは2021年6月3日に「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」を公表しています。PIO-NETに寄せられた家庭用蓄電池に関する相談件数は2019年度に1,000件を超え、2020年度は1,314件でした。事業者の突然の訪問をきっかけに「この値段は今日限り」と急かされる、電力会社の関連会社をかたられる、太陽光発電設備の無料点検で訪問した事業者に勧誘される、といった事例が挙げられています(出典: 国民生活センター)。
災害の不安は、その場で契約させる材料に使われやすい論点です。見積書では次の項目が書面に落ちているかを確認しましょう。
- 蓄電池ユニットとパワーコンディショナの型式、蓄電容量と初期実効容量
- 自立運転時の定格出力・最大出力(kVAまたはkW)
- 全負荷用分電盤か特定負荷用分電盤か、型式と定格電流
- 200V(単相3線式)出力に対応するかと、停電時に生きる回路の割り当て
- 保証年数と対象機器、容量保証の判定値
まとめ
- オール電化でもエコキュートは機種によって停電中に給湯できる。ただし湯温調節はできず、自動湯はりもできない
- 過去の実績は北海道ブラックアウトが概ね全域復旧まで45時間程度、台風15号は最大約93万戸・99%解消まで約280時間。首相官邸の備蓄目安は飲料水3日分(1人1日3L)で、大規模災害時は1週間分が望ましい
- 蓄電池選びの軸は容量kWhよりも自立運転出力と全負荷/特定負荷。オムロン2.0kVA(ハイブリッドはトランスユニット接続時4.0kVA)、ニチコンESS-U5は5.9kW(タイプL接続時)、京セラは6,000VA、テスラPowerwall 3は9.69kW
- 太陽光単独の自立運転はAC100V・1,500W級(シャープの太陽光用機種は1.5kVA)が上限で、蓄電池がなければ昼間しか使えない。国のDR補助金は2026年5月29日で公募終了しているため、補助金前提の計画は現状の公募状況を確認してから組む