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オール電化の相談風景

IHとガスコンロを公式仕様で比較|火力・安全・価格・停電時の違い【2026年8月版】

エネチョイス編集部

この記事の結論

IHとガスコンロは、公式仕様の並べ方そのものが違います。2026年8月時点のメーカー公式表記では、ビルトインガスコンロの最大火力はリンナイDELICIAが4.20kW(13A)、同社GRILLERが5.25kW(13A)、パナソニックのビルトインIH Bシリーズは1口あたり最大3.0kW(鉄・ステンレス鍋)です。ただしパナソニックはIHの熱効率を約90%(日本電機工業会の自主基準に基づく同社実測)としており、kWの数字の大小だけでは鍋に届く熱量を比較できません。実際の判断材料になるのは、使える鍋の材質(IHは土鍋・銅・アルミが対象外)、停電時に使えるか(乾電池点火のガスコンロは使用可、IHは不可)、単相200Vの電気工事が要るか、本体価格の出方(ガスは希望小売価格が公表、IHはオープン価格の機種がある)の4点です。

「IH ガスコンロ 比較」でまず押さえたいのは、カタログの最大火力(kW)を単純に見比べても結論が出ない、という点です。 2026年8月時点のメーカー公式表記では、ビルトインガスコンロの最大火力はリンナイDELICIAで4.20kW(13A)、パナソニックのビルトインIH Bシリーズは1口あたり最大3.0kW。数字だけならガスが上ですが、パナソニックはIHの熱効率を約90%と公表しており、投入したエネルギーのうち鍋に届く割合が違います。

以下は、メーカー公式サイト・公式カタログ・業界団体・消防庁の統計に書かれている内容だけで組み立てた比較です。

【2026年8月25日時点】 本文の価格・仕様は、各メーカー公式サイトおよび公式カタログ(2026年8月現在の表記)で確認した値です。なお、オール電化とあわせて検討されやすい国のDR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正・上限60万円/申請)は、2026年3月24日に公募が始まり、2026年5月29日に予算到達で公募終了しています。次回公募は未公表です。出典: SII 令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業

この記事でわかること

  • 最大火力(kW)をそのまま比べてはいけない理由と、公式が出している数値
  • 消防庁の統計で見るこんろ火災の実際の内訳と、その数字の正しい読み方
  • IHで使えなくなる鍋の具体的な材質・条件(公式表記のまま)
  • 停電したときにどちらが使えるのか、そのときの注意点
  • 本体価格の出方の違い(ガスは希望小売価格、IHはオープン価格の機種がある)と工事の前提

火力は「kW」の大小だけでは比べられない

公式カタログに載っている数値

まず、両者の公式値を並べます。すべてメーカー公式サイトまたは公式カタログの記載です。

項目IHクッキングヒーターガスコンロ
最大火力1口あたり3.0kW(鉄・ステンレス鍋)4.20kW(13A、DELICIA)/ 5.25kW(13A、GRILLER)
火力調節10段階強火力バーナー11段階
揚げ物の温度調節140〜200℃の7段階(Bシリーズ・左右IH)130〜220℃を10℃刻み(大・大バーナー)
同時使用の制約2つ以上のヒーター同時使用時は本体が火力を自動制御。定格は単相200V・5.8kW(4.8kWに切り換え可能)

出典: パナソニック ビルトインIH Bシリーズ 仕様一覧(PDF・記載内容は2026年8月現在)パナソニック ガスコンロからIHへお取替え Q&Aリンナイ ビルトインガスコンロ DELICIA

なお、ここで参照したパナソニックBシリーズ(KZ-B2T6K/B2T6S/B2T7K/B2T7S、KZ-CB26TS/CB27TS)は同社チラシに2026年11月20日発売予定と記載された機種です。2026年8月時点では店頭に並んでいないため、いま買える機種の仕様・価格は販売店で確認してください。

「熱効率約90%」の意味と、その但し書き

パナソニックは公式サイトで「IHの熱効率は約90%ときわめて高く、ほとんどの加熱のエネルギーを調理パワーとして活かします」と説明しています。ただしこの数値には注釈があり、「鉄・ステンレス対応IH。日本電機工業会自主基準に基づく測定方法による。当社実測。(当社標準鍋を使用)」という条件つきです(出典: パナソニック ガスコンロからIHへお取替え Q&A)。

つまり、**IHの熱効率は「対応する鍋を使い、所定の測定方法で測ったときの値」**であって、どんな鍋でも同じ結果になるわけではありません。実際、同社がIHの説明で挙げている最大3.2kWという数値(機種で異なり、上の表に挙げたBシリーズは1口3.0kW)にも「鉄・ステンレス製の鍋使用の場合。2つ以上のヒーターを同時使用した場合、IHヒーターが火力を自動的に制御するため、最大火力が出ない場合があります」と注記しています。

ガスコンロ側は、メーカーが自社サイトで熱効率を数値公表している例を今回は確認できませんでした。ただし公的な基準値そのものは存在します。ガス調理機器は省エネ法のトップランナー制度の対象で、こんろ部のエネルギー消費効率はJIS S 2103に規定する方法で測定した熱効率(%)として、区分ごとに目標基準値が定められています(資源エネルギー庁)。区分別の一覧はIHの電気代と消費電力を公式仕様で読むにまとめています。

注意すべきなのは数字の性格の違いです。IHの約90%はJEMA自主基準に基づくメーカー実測値、ガス側はJIS S 2103に基づく国の目標基準値で、測定方法も値の意味も別物です。両者を割り算して「IHはガスの◯倍」と語ることには意味がありません。

温度をキープする機能は両者にある

  • IH: パナソニックはBシリーズの揚げ物最大火力を2.0kWとし、独自の「光火力センサー」が「鍋底から出る赤外線で鍋底温度を正確にキャッチします」と説明しています。Bシリーズの揚げ物温度調節は140〜200℃の7段階です(出典: パナソニック ガスコンロからIHへお取替え Q&ABシリーズ 仕様一覧(PDF)
  • ガス: リンナイDELICIAは大バーナーで130〜220℃を10℃刻みで設定でき、「お好みの温度に設定すれば、火加減を自動調節します」としています

どちらも「温度を設定して任せる」使い方ができるのが2026年時点の実像で、温度管理の自動化はIHだけの特徴ではありません。

安全機能と火災データで見る差

消防庁の統計はどうなっているか

総務省消防庁の令和7年版消防白書によると、令和6年(2024年)中の総出火件数は37,141件で、出火原因は「たばこ」3,058件、「たき火」2,781件、「こんろ」2,718件の順です(出典: 令和7年版消防白書 4.出火原因)。

こんろ火災2,718件の内訳は、同白書の附属資料で次のようになっています。

こんろの種類令和5年令和6年
ガスこんろ2,396件2,346件
電気こんろ302件258件
石油こんろ30件18件
まき・炭・石炭こんろ89件81件

出典: 令和7年版消防白書 資料1-1-38 こんろによる火災の損害状況

注意したいのは、この表が「出火件数」であって「1台あたりの危険度」ではないことです。種類ごとに設置台数が大きく違うため、件数の比だけで「◯倍危険」とは言えません。読み方のヒントになるのは原因(経過)別の内訳で、令和6年の最多は「放置する、忘れる」1,067件、次いで「可燃物の接触」318件、「過熱」263件。火のつけっぱなしと、こんろ周りに置いたものが上位という構図です。なお白書の区分は「電気こんろ」であり、IHクッキングヒーターだけを指すとは限りません。

双方に「自動で止める」仕組みがある

この「放置する、忘れる」に対して、現行製品はどちらも自動停止機能を持っています。

ガスコンロ(リンナイDELICIAの公式表記)

  • 鍋なし検知機能: 鍋を置いていない状態では点火せず、調理中に鍋を持ち上げると弱火になり、1分間鍋が置かれていないと自動消火
  • 消し忘れ消火機能: 火を消し忘れても約2時間で自動消火(一部機種を除き10分刻みで変更可)
  • 揺れピタ: 機器本体が震度約4以上の揺れを感知すると自動消火

IHクッキングヒーター(パナソニックの公式表記)

  • 空焼き自動OFF: 鍋の空焼き状態が約15分続くと自動で電源OFF
  • 鍋なし自動OFF: 鍋を外すと火力表示が点滅し、約1分後に通電を停止
  • 小物自動OFF: ナイフ、スプーンなどの金属製小物を置いたまま加熱すると約1分後に通電を停止
  • 切り忘れ自動OFF、温度過昇防止、オールロック、高温注意表示

日本ガス石油機器工業会は、全口に温度センサーが付いた「Siセンサーコンロ」への買い替えを勧めており、温度センサーがない、または片側だけの製品を「従来型コンロ」と呼んで区別しています(出典: JGKA ガスコンロ・ガス炊飯器の安全な使い方)。同じ「ガスコンロ」でも、古い製品と現行のSiセンサーコンロでは安全機能が別物という点は混同されやすいところです。

換気とCO(一酸化炭素)

ガスコンロに固有の前提が換気です。日本ガス石油機器工業会は「酸素が不足して不完全燃焼を起こすと、一酸化炭素(CO)という有毒なガスが発生します」「一酸化炭素(CO)は色も臭いも無く、毒性が強い気体」と説明し、コンロ使用中は換気扇を回すか窓を開けるよう案内しています(出典: JGKA 一酸化炭素(CO)中毒とは)。

設置面にも条件があります。同工業会は、耐火構造以外の壁付近ではガスコンロと壁を15cm以上離し、距離が取れない場合は防熱板を付けるよう案内しています。揚げ物では、油量が少ないと温度センサーが正しく働きにくくなるため調理油を200mL以上入れること、土なべや耐熱ガラスなべは天ぷら油過熱防止機能が働かず油調理に使えないことも明記されています。

IHは燃焼を伴わないためCOは発生しませんが、油を扱う以上、発火のリスクが消えるわけではありません。日本電機工業会も「揚げ物・炒め物等の調理の際、油は炎がなくても発火の恐れがあります」と注意しています(出典: 日本電機工業会 IHクッキングヒーター)。

使える鍋・設置条件・工事の違い

鍋の制約はIHのほうが明確に大きい

日本電機工業会が公表している対応材質は次のとおりです(出典: 日本電機工業会 IHで使える鍋)。

区分材質
使える鉄・鉄鋳物、鉄ホーロー(高温調理時は耐熱製品を推奨)、ステンレス(18-0、18-8、18-10。18-8と18-10は火力が弱い場合あり)
使えない耐熱ガラス、陶磁器(土鍋など)、銅、アルミ

サイズは「直径12cm以上の物をご使用下さい」とされ、一般財団法人製品安全協会のマークがある鍋が推奨されています。

日立はさらに踏み込んで、**陶磁器(土鍋など)と直火用焼網は「IHで使えると表示しているものでも使わないでください」**としています。オールメタル対応機については、アルミ・銅鍋やアルミを挟んだ多層鍋で「オールメタル加熱時最大2.6kWの火力が得られます。鍋の材質や形状、大きさによって火力が約20〜30%弱くなる場合があります」と明記しています(出典: 日立 IHクッキングヒーター 使える鍋と使えない鍋)。

つまりオールメタル対応でも「ガスと同じように何でも使える」わけではない、というのが公式の説明です。愛用の土鍋や丸底の中華鍋、銅鍋がある家庭では、ここが実質的な分かれ目になります。IH側の長所と短所をまとめて見たい場合はIHクッキングヒーターのメリット・デメリットを公式仕様で検証も参考にしてください。

鍋を持ち上げたときの挙動は、実は両者とも制限がある

「鍋振りができるのはガス」とよく言われますが、現行のSiセンサーコンロにも制約があります。リンナイDELICIAの鍋なし検知機能は、調理中に鍋を持ち上げると弱火になり、1分間鍋が置かれていないと自動消火します。IHは鍋を外すと約1分後に通電が停止します。

短時間のあおりならガスのほうが扱いやすいものの、「ガスなら火が完全に追従する」というのは現行機の仕様とは少しずれた理解です。購入前にショールームで実際に鍋を動かして挙動を確認するのが確実です。

工事の前提が違う

IHは電気工事が前提です。日立はビルトインIHについて単相三線式200Vの電源工事が必要としており、複数のIHを同時に使う場合は総消費電力が自動的に5.8kWに制限される(4.8kW、4.0kWへの切り換えも可能)と説明しています(出典: 日立 IHクッキングヒーター HT-N2000Tシリーズ)。パナソニックのBシリーズも定格は単相200V・5.8kW(4.8kWに切り換え可能)、電源プラグは2極・接地極付 30A 250Vです。

ガスコンロ側は、ガスの種類に適合した機種を選ぶ必要があり、リンナイの公式比較表も最大火力を「13A」という条件付きで表記しています。買い替え時には、日本ガス石油機器工業会がガス用ゴム管やガスコードの交換もあわせて案内しています。

オール電化そのものの仕組みはオール電化とは何かにまとめています。

停電したときに使えるのはどちらか

日本ガス石油機器工業会は、停電中に「使用できる機器の一例(商用電源を使用しない機器)」としてガスコンロを挙げ、「使用できない機器の一例(商用電源を使用する機器)」として商用電源を使う機器を挙げています。ただし、停電時は換気扇が止まるため、窓を開けるなど換気しながら使うこと、換気の目安は1時間に1〜2回程度と案内しています。早朝や夜間の停電では周囲が暗く、操作ミスややけどの危険がある点にも注意を促しています(出典: JGKA 停電時のガス機器・石油機器の使用に関する注意)。

ただし、すべてのガスコンロが停電中に使えるわけではありません。ノーリツのビルトインコンロ比較表では、焼網グリルタイプの各機種の電源が「乾電池」、マルチグリルタイプのプログレは「AC100V/乾電池」と記載されています(出典: ノーリツ ビルトインコンロ)。AC100V電源を使うタイプは停電中に使えないため、防災目的なら電源方式の確認が要ります。

IHは単相200Vの電源が前提のため、停電中はそのままでは使えません。蓄電池で調理までまかなうなら、蓄電池側が200V出力に対応し、IHが求める出力(kW)を満たせることが条件です。全負荷型か特定負荷型かでも結果が変わるので、契約前に「停電時にIHが動くのか」を書面で確認してください。停電時に家電をどこまで動かせるかは停電時に蓄電池でどこまで使えるかで整理しています。

お金の話と、どちらを選ぶかの判断軸(2026年8月時点)

本体価格の出方が違う

ここが実務上いちばん大きな違いかもしれません。ガスコンロはメーカーが希望小売価格を公表しています。ノーリツのビルトインコンロの希望小売価格(税込)は次のとおりです。

シリーズ希望小売価格(税込)
コンパクトタイプ57,420円〜
メタルトップシリーズ91,520円〜
ファミ162,250円〜
ネスト228,470円〜
プログレ(マルチグリルタイプ)375,540円〜

※価格帯の幅がわかるよう主なシリーズを抜粋しています。同社サイトにはこのほかミッケ・ネロ・オルシェ・プラスドゥなどの掲載があります。

出典: ノーリツ ビルトインコンロ

IH側は機種によって扱いが分かれます。パナソニックのビルトインIH Bシリーズのうち、KZ-B2T6K/KZ-B2T6S(幅60cm)は363,000円(税抜330,000円)、KZ-B2T7K/KZ-B2T7S(幅75cm)は385,000円(税抜350,000円)と価格が明記されていますが、いずれも「工事費別」です。一方、同じBシリーズでもKZ-CB26TS/KZ-CB27TSはオープン価格とされ、「オープン価格の商品の価格は販売店にお問い合わせください」と案内されています(出典: パナソニック ビルトインIH Bシリーズ 仕様一覧(PDF)同 別モデルのPDF)。ただしこの6機種はいずれも同チラシに「2026年11月20日発売予定」と記載されており、2026年8月時点では発売前です。 現行機種の価格は販売店に確認してください。

本体価格に加え、IHは200Vの電源工事、ガスは配管・接続具の状態確認が乗ります。総額は現地調査後の見積もりでしか出ないため、機器の定価だけで比較しないでください。

ランニングコストは「同条件の公式数値」が両方には存在しない

パナソニックはIHについて、「標準的な4名家族世帯にて、朝・昼・夕食時に標準的なメニューでIHクッキングヒーターを使用した場合の1ヵ月の電気代は約1,170円(税込)」と公表しています。条件は「JEMA・IH調理器技術委員会調べ」「電気目安料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会『電力料金目安単価』から31円(1kWhあたり、税込)で算出〈2022年7月改定〉」です(出典: パナソニック ガスコンロからIHへお取替え Q&A)。

一方、同じ条件・同じ算定方法で作られたガスコンロ側の公式数値は、今回確認できませんでした。 したがって「IHのほうが月◯円安い」といった比較は、この記事では書きません。自宅で判断するなら、検針票の電気・ガスの使用量と契約単価を持ち込んで、条件を明示した試算を販売店に出してもらうのが実務的です。オール電化に切り替えた場合の考え方はオール電化の光熱費シミュレーションを参照してください。

補助金と、蓄電池・太陽光との関係

IHへの切り替えをオール電化の一部として検討する場合、周辺設備の補助金の状況も判断材料になります。冒頭のとおり、国のDR家庭用蓄電池事業は2026年5月29日に予算到達で公募終了しており、2026年8月時点で新規申請はできません。次回公募は未公表です(出典: SII 令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業)。詳しくは国のDR補助金の終了と次回の見通しにまとめています。

自治体の制度は動いており、東京都の令和8年度「家庭における蓄電池導入促進事業」は10万円/kWh、DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸、2026年10月1日以降はSII令和8年度登録品のみが対象です(出典: 東京都 家庭における蓄電池導入促進事業)。売電単価も効いてきます。2026年度の住宅用FIT(10kW未満)は1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWh(出典: 資源エネルギー庁 買取価格・期間等)。IH化で日中の電力使用が増えるなら、太陽光の自家消費率も論点になります。組み合わせ方はオール電化と蓄電池の相性で解説しています。

判断軸の整理

ここまでの一次情報を、決め手になりやすい順に並べ直すと次のようになります。

  1. 手持ちの鍋 ー 土鍋・丸底の中華鍋・銅鍋を日常的に使うならIHでは同じ使い方ができません(オールメタル対応機でも土鍋は対象外)
  2. 停電時の調理手段 ー 乾電池点火のガスコンロは停電中も使えます。IHで同じことを狙うなら蓄電池側の200V対応と出力の確認が要ります
  3. 工事の可否と費用 ー IHは単相200Vの専用回路が前提。分電盤や配線の状況で費用が変わるため見積もりが前提です
  4. 既存機器の年式 ー 温度センサーのない従来型コンロなら、比較対象に「Siセンサーコンロへの買い替え」も入ります
  5. 掃除の手間や夏場の室温 ー 公式の数値では比較できない領域なので、ショールームで実物を見て判断するのが確実です

まとめ

  • 最大火力の公式値はガスコンロが4.20〜5.25kW(13A)、ビルトインIHが1口3.0kW。ただしパナソニックはIHの熱効率を約90%(条件つき)としており、kWの大小だけでは比較にならない
  • 令和6年のこんろ火災2,718件の内訳はガスこんろ2,346件、電気こんろ258件。ただしこれは出火件数であって1台あたりの危険度ではなく、原因の最多は「放置する、忘れる」1,067件
  • IHは使える鍋の材質が公式に限定されている(耐熱ガラス・陶磁器・銅・アルミは不可、直径12cm以上)。オールメタル対応機でも土鍋は対象外
  • 停電時は乾電池点火のガスコンロは使用可、AC100V電源タイプとIHは使用不可。価格はガスが希望小売価格を公表、IHはオープン価格の機種もあり、いずれも工事費は別

よくある質問

Q.IHとガスコンロ、火力が強いのはどちらですか?

A.公式カタログの最大火力(kW)だけを見ればガスコンロのほうが大きい数字が並びます。リンナイの公式比較表では最大火力(13A)がDELICIA 4.20kW、GRILLER 5.25kW、パナソニックのビルトインIH Bシリーズ(KZ-B2T6K等)はヒーター1口あたり最大3.0kWです。ただしパナソニックはIHの熱効率を約90%(鉄・ステンレス対応IH、日本電機工業会の自主基準に基づく測定方法による同社実測)と公表しており、投入エネルギーのうち鍋に入る割合が異なるため、kWの数字をそのまま比べても実際の加熱力の差にはなりません。またIHは2つ以上のヒーターを同時に使うと本体側が火力を自動制御します。

Q.IHにすると使えなくなる鍋はありますか?

A.あります。日本電機工業会は、使える鍋の材質を鉄・鉄鋳物・鉄ホーロー・ステンレスとし、耐熱ガラス、陶磁器(土鍋など)、銅、アルミは使えないと案内しています。鍋底の直径は12cm以上が条件です。日立は、陶磁器(土鍋など)と直火用焼網について、IHで使えると表示しているものでも使わないよう注意しています。オールメタル対応機ならアルミ・銅も加熱できますが、日立の場合はオールメタル加熱時の火力が最大2.6kWで、鍋の材質や形状、大きさによって約20〜30%弱くなる場合があると明記されています。

Q.停電したときはどちらが使えますか?

A.日本ガス石油機器工業会は、停電時に使用できる機器の例(商用電源を使用しない機器)としてガスコンロを挙げており、乾電池で点火するタイプは停電中も使えます。一方、AC100V電源を使う機種は使用できません。IHクッキングヒーターは単相200Vの電源が前提のため、停電中は使えません。なお停電時は換気扇も止まるため、同工業会は窓を開けるなどして換気しながら使うこと、その目安として1時間に1〜2回程度の換気を案内しています。

Q.ガスコンロからIHに替えるとき、どんな工事が必要ですか?

A.IHクッキングヒーターは単相200Vの専用回路が前提です。日立はビルトインIHについて単相三線式200Vの電源工事が必要としており、パナソニックのビルトインIH Bシリーズのチラシでも電源プラグは2極・接地極付 30A 250V、定格は単相200V・5.8kW(4.8kWに切り換え可能)と記載されています。既存の分電盤や配線の状態で工事内容も費用も変わるため、金額は現地を見てもらったうえでの見積もりで確認してください。パナソニックの同チラシも本体価格は「工事費別」と明記しています。

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