2026年9月1日時点で、EVを買うときに国から直接出るお金は「CEV補助金(車両)」です。 一方、V2H充放電設備への国の補助金は8月27日到着分で受付が終わり、税制のほうは環境性能割が3月31日に廃止されて、「EV優遇」の中身そのものが入れ替わりました。古い記事の説明がそのままでは通じない年です。
【2026年9月1日時点】 令和7年度補正のCEV補助金(車両)は申請受付中。V2H充放電設備・外部給電器の補助金は令和8年8月27日到着分をもって受付終了。自動車税環境性能割・軽自動車税環境性能割は令和8年3月31日で廃止。出典: 次世代自動車振興センター、同センター「交付申請受付終了のお知らせ」PDF、東京都主税局
この記事でわかること(数字はすべて公的機関の公表値です)
- CEV補助金がいま申請できるのか、いくら出るのか
- 車種別の交付額と、2027年1月から下がる車種があること
- 2026年度に入れ替わった税制優遇の中身
- V2Hを併せて入れる場合の国と東京都の現在地
- 申請でつまずきやすい期限と保有義務
現在地:使えるもの、終わったもの
CEV補助金(車両)は受付中
CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)は、経済産業省の事業として一般社団法人次世代自動車振興センターが執行しています。現在動いているのは令和7年度補正予算の事業で、申請受付は令和8年3月31日に開始しました。予算規模は約1,100億円です(同センター FAQ(PDF))。
ただし、いつまで受け付けるかは決まっていません。応募要領では受付期間の終わりが「別途設定」とされたままで、「予算の消化状況により、受付期間を短縮することがあります」と明記されています(応募要領Ⅰ-1(PDF))。年度末まで確実に使えるという前提で計画を立てるのは避けたほうが無難です。
V2H・外部給電器の国の補助金は終了した
同じセンターが執行する「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金」のうち、V2H充放電設備・外部給電器は令和8年8月28日に到着した交付申請で予算額を超えたため、交付規程に基づいて受付期間が短縮されました。令和8年8月27日(木)中に到着した申請をもって受付終了で、8月28日以降に到着した申請は無効です(受付終了のお知らせ(PDF))。
「EVとV2Hをセットで国の補助金をもらう」という組み立ては、2026年8月時点では成立しません。
環境性能割は廃止された
令和8年度税制改正で、自動車税環境性能割および軽自動車税環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止されました。これに伴い、それまでの「自動車税種別割」は「自動車税」、「軽自動車税種別割」は「軽自動車税」に名称が戻っています(国土交通省「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」PDF、東京都主税局)。
つまり「EVは環境性能割が非課税だからお得」という説明は、2026年度以降は意味を持ちません。制度そのものが無くなり、ガソリン車を含めて取得時のこの税はかからなくなったからです。EVの相対的な優位が1つ減った、という読み方が正確です。
CEV補助金はいくら出るのか
補助額は車種・グレードごとに個別に決まっており、銘柄ごとの補助金交付額一覧(PDF)で公表されています。以下は令和8年8月27日現在の一覧(令和8年4月1日以降の登録分)から抜き出したものです。
| 区分 | 交付額の上限 | 代表的な車種の交付額 |
|---|---|---|
| 電気自動車(普通車) | 130万円 | トヨタbZ4X 130万円、レクサスRZ500e・ES500e 130万円、日産リーフ・アリア 129万円 |
| 電気自動車(小型車) | 130万円 | ホンダSuper-ONE 130万円、FIAT 500e・アバルト500e 49万円、ヒョンデINSTER 47万円 |
| 電気自動車(軽) | 58万円 | 日産サクラ 58万円、ホンダN-ONE e:・N-VAN e: 58万円、三菱eKクロスEV 57.4万円 |
| プラグインハイブリッド車 | 85万円 | トヨタ アルファード・プリウス・RAV4・ハリアー・クラウン 85万円、レクサスNX450h+ 85万円、三菱アウトランダー 84万円 |
| 燃料電池自動車 | 150万円 | トヨタMIRAI・クラウン 150万円、ホンダCR-V e:FCEV 150万円、ヒョンデNEXO 147万円 |
軽自動車のEVは58万円が上限で、サクラやN-ONE e:などが横並びです。一方、同じ小さなクルマでもホンダSuper-ONEは小型自動車の区分で130万円と、定価308.2万円(税抜)に対して突出した交付額になっています。
同一覧には、メーカー希望小売価格(税抜)が840万円以上の車両は0.8を乗じた補助額になる、という注記もあります。
登録が2027年にずれると下がる車種がある
見落とされやすいのが、一覧が「登録日:令和8年4月1日〜令和8年12月31日」と「登録日:令和9年1月1日以降」の2列に分かれている点です。
- 日産リーフ(全グレード)・日産アリア(主要グレード):129万円 → 100万円
- トヨタbZ4X:130万円 → 130万円(据え置き)
- 日産サクラ:58万円 → 58万円(据え置き)
下がる車種を検討しているなら、納車と初度登録が年内に間に合うかどうかで29万円動きます。契約時に登録見込み日を書面で確認しておきましょう。なお同じ車名でもグレードによって額が違うことがあり、たとえばアリア NISMO B9 e-4ORCE は103.2万円 → 80万円です。検討中のグレードの行を一覧で直接確認してください。
申請でつまずきやすい4点
CEV補助金は「買えば自動的にもらえる」制度ではありません。センターが公表している要件のうち、実務で効いてくるのは次の4点です。
1. 申請書の提出期限が短い。 令和8年5月1日以降に初度登録した車両は、原則として初度登録(届出)日から1ヶ月以内(消印有効)。車両登録日までに支払い手続きが完了していない場合は、例外として初度登録日の翌々月末日までです(FAQ(PDF))。
2. 中古車と事業用車両は対象外。 センターのトップページに「中古車 及び 事業用車両はCEV補助金の対象外です」と明記されています(次世代自動車振興センター)。
3. 保有義務がある。 補助金を受けた車両は原則として4年または3年の保有が義務付けられ、期間内に手放す場合は事前の財産処分手続きと補助金の返納が必要です。返納が完了するまで、次に買う車への補助金は交付されません(申請ページ)。
4. 入金までに時間がかかる。 センターは2026年8月6日付のお知らせで、申請書類の到着から交付決定までが概ね3ヶ月から4ヶ月かかる見込みと案内しています(交付決定時期見通しのご連絡)。不備があればさらに延びます。値引き交渉の原資として当てにするなら、この時間差を織り込んでください。
税制優遇:2026年度の中身
エコカー減税(自動車重量税)は免税
自動車重量税のエコカー減税は、適用期間が令和8年5月1日から令和10年4月30日まで延長されました。EV・FCV・PHEV・天然ガス自動車は、新車新規登録等で免税。さらに、車検証の有効期間が満了する日から起算して15日を経過する日までに交付等を受けた場合に限り、初回継続検査時等も免税です(国土交通省「エコカー減税(自動車重量税)の概要」PDF)。
金額感をつかむために、同じ重量区分でエコカー減税の軽減がまったくない場合と比べます。国土交通省の「2026年5月1日からの自動車重量税の税額表(PDF)」では、新車新規登録等時の自家用乗用車で車両重量1.5トン超2トン以下・エコカー外(軽減なし)の税額は、3年自家用が49,200円、2年自家用が32,800円。EVはいずれも免税で0円です。加えて初回継続検査時等も免税なので、最初の車検でも重量税はかかりません。ただしガソリン車も燃費性能に応じて25%〜75%軽減や免税になるため、実際の差額は比較する車によって変わります。
グリーン化特例(自動車税)は概ね75%軽減
自動車税のグリーン化特例(軽課)も、適用期間が令和8年4月1日から令和10年3月31日まで延長されました。適用期間中に新車新規登録を行った場合に限り、その翌年度分について、乗用車のEV・FCV・PHEVは概ね75%軽減されます。軽自動車税でも、電気軽自動車と天然ガス軽自動車が概ね75%軽減の対象です(国土交通省「自動車税のグリーン化特例の概要」PDF)。
もう1つ、地味に効くのが重課の対象外である点です。ガソリン車・LPG車は初回新規登録から13年超、ディーゼル車は11年超で概ね15%の重課がかかりますが、EV・天然ガス車・メタノール車・ハイブリッド車などは重課の適用外とされています。長く乗るほど差が開く仕組みです。
なお、総排気量の値を持たないEV(FCVを含む)の乗用車には、現在は自動車税の最低税率が一律に適用されています。東京都の税率表では、令和元年10月1日以降に初回新規登録を受けた自家用乗用車の最低区分(1リットル以下)は年25,000円です(東京都主税局「自動車税」)。軽減後の具体的な税額は各都道府県が公表しているので、納税通知書か自治体の案内で確認してください。
東京都は自動車税が5年度分まるごと免除
東京都には都独自の「ZEV導入促進税制」があります。平成21年度から令和12年度までに初回新規登録を受けたEV・FCV・PHEVは、初回新規登録時の自動車税(月割)と、翌年度からの5年度分の自動車税が課税免除。営業用・自家用、個人・法人、リース車のいずれも対象です(東京都主税局)。都内在住なら、グリーン化特例の「翌年度分だけ概ね75%軽減」よりはるかに手厚い扱いになります。
これから決まる話も押さえておく
国土交通省が公表した税制改正資料の〈参考〉に収録されている令和8年度税制改正大綱(抜粋)には、令和10年度以後に新車新規登録を受けるEVの乗用車には、車両重量に応じた課税方式を導入するという方針が書かれています。総排気量の値を持たないEVに最低税率を一律適用している現行の扱いを見直す、という文脈です。具体的な税率は令和9年度税制改正で結論を得るとされ、平均的な水準は「電気自動車以外の自動車における現行の平均税率と同水準とすることを基本とする」とされています(国土交通省「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」PDF)。今の「最低税率が一律適用」という状態は恒久的なものではない、という前提で見ておくのが安全です。
V2Hを併せて入れるなら
前述のとおり、国のV2H補助金は2026年8月27日到着分で終了しました。一方、自治体の助成は動いています。
東京都の「令和8年度 戸建住宅におけるV2H普及促進事業」は受付中で、令和8年度の受付終了日は令和9年3月31日(水)17時。都内の戸建住宅に令和8年4月1日から令和10年9月29日までの間に設置されるV2Hであること、中古品でないことが要件です。さらに、交付申請兼実績報告を提出した日において、経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(CEV補助金)の対象機種になっていることも条件になっています。判定は設置日ではなく提出日である点に注意してください。対象機種は随時更新されるため、申請直前に次世代自動車振興センターの一覧で確認が必要です。
助成額は手続きの手引き(PDF)で次のように定められています。
- 通常の申請:助成対象経費 × 1/2 − 国その他の団体の補助金(千円未満切捨て、上限50万円)
- 増額申請:助成対象経費 × 10/10 − 国その他の団体の補助金(千円未満切捨て、上限100万円)。要件を満たす太陽光発電システムと、EVまたはPHEVを所有している場合に申請できます
算式に「国その他の団体の補助金」を引く項があるため、国の補助が受けられない今は都の助成が上限まで出やすくなります。手引きのシミュレーションでも、本体70万円・工事40万円の例で「国補助あり」なら国50万円+都5万円=55万円、「国補助なし」なら都50万円と示されています。都からの入金は増えるが、国+都の合計額は小さくなる、という関係です。
V2Hそのものの仕組みは「V2Hとは?仕組み・メリット・導入費用」、補助制度の全体像は「V2H補助金の仕組みと申請」で整理しています。
自治体の補助金と、判断のしかた
自治体のEV補助は国とは別枠ですが、金額・要件・受付状況は自治体ごとにまったく違い、年度途中で締め切られることもあります。次世代自動車振興センターが地方自治体支援制度一覧を公開しているので、まずここで当たりをつけ、最終的な要件と残り予算は自治体の公式ページで確認してください。探し方は「自治体の補助金の調べ方」にまとめています。
そのうえで、購入時期を決める判断材料は次の3つです。
- 交付額が下がる区切りに掛かっていないか。 令和9年1月1日以降の登録で下がる車種があります。判定は契約日ではなく初度登録日です
- 保有義務期間を守れるか。 原則4年または3年。転勤や家族構成の変化で手放す可能性があるなら、返納リスクを織り込んで判断します
- 予算切れに耐えられる資金計画か。 V2Hは8月に受付が終わりました。車両側も最終期限は未公表で、短縮の可能性が応募要領に明記されています
充電設備の工事や日々のランニングコストまで含めた費用感は「自宅EV充電設備の設置ガイド」と「EVの電気代は月いくら?」もあわせてご覧ください。
まとめ
- 2026年9月1日時点で申請できる国のEV補助金はCEV補助金(車両)。予算約1,100億円で受付中だが、最終期限は未公表で「予算の消化状況により受付期間を短縮することがある」と応募要領に明記されている
- 交付額は令和8年8月27日現在でEV最大130万円・PHEV最大85万円・FCV最大150万円。リーフとアリアは令和9年1月1日以降の登録で129万円から100万円に下がる
- 税制は2026年度に入れ替わった。環境性能割は令和8年3月31日で廃止、エコカー減税はEV・PHEV・FCVが新車新規登録時と初回継続検査時に免税、グリーン化特例は翌年度分が概ね75%軽減
- 国のV2H補助金は令和8年8月27日到着分で受付終了。東京都の戸建住宅向け助成は令和9年3月31日17時まで受付中(上限50万円、増額申請で100万円)
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